ビーチサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が 迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

野に咲く花のように。

野に咲く花



野に咲く名もないのように
に吹かれ に打たれ
凍てつくの日にも
土の温もりを友として
けなげに咲くことを諦めない
そんなのような存在になりたい

野に咲く名もないのように
人生という大地に根を張り
揺るぎない意志と情熱を持ち
うろたえることもなく
一心に咲き続ける
そんなのような存在でありたい


祭りで賑わう夜(詩集・天国の地図より)。

藤枝祭り



祭りで賑わう夜
父は病床に寝たきりの身体を起こして
息子の帰りを
独り静かに待っていた
外は祭りの熱気で溢れているのに
か細くやせ衰えた肩や手が
息子を呼んでいるのに
今夜には帰り筈の息子は
夜更けまで何処かで遊び惚けている
祭り太鼓
父の胸には悲しく響くだけ
帰らぬ息子を想っているのか
自分の憐れさを悲しんでいるのか
隙間風が枕元を通り過ぎて
祭りも終わりを告げるようだった


※末期の肝硬変余命いくばくもない父から呼出され実家へ帰った時、藤枝は4年に一度の大祭だった。その時を回想して作った

桜のプラネタリウム。

プラネタリウム



満天を泳ぐように

舞い散る

それは

プラネタリウム

遠い記憶の向こうで

微笑んだ

あなたの眼差し

今年もあなたの心に

満開ですか

雪の花びら(未刊詩集より)。

雪の花びら


花びら
みなもに消えて
のさざなみ凍えさす
お魚じっと我慢して
の来るのが待ち遠しい
小舟の上では釣り人が
をたらして
を見る
花びら
みなもに解けて
を待つ凍えさす


父に捧げるレクイエム。

秋空


深まるがこの蒼い一杯に拡がり
あなたの散ったあの日を
僕はいつもあの時のままで想い出す
たなびく煙はに乗り
あなたのを高い高いへと連れて行く
悔しさとのように深い悲しみ
苦し紛れの笑顔で隠し
わずか42年の生きざまを
18歳の少年に凡て託してこの世を去った
煽ったの数だけを流し
酔えば酔うほど母の面影が募ったのでしょうね
幼い僕は母に似て
いつもあなたを悩ませた
だからにまみれて自分を誤魔化して来たのでしょう
母の事は何も語らずたったひと言「会いに行って来い」
母を知らない僕にとっては辛い言葉でしたよ
会いたいのは僕でなく本当はあなた自身の方でした
あなたのいなくなったあの日から
あなたとあなたの愛した母の面影
背負って僕は
今日もこうして生きているのです


ひとりかくれんぼ(不登校の頃に)。

かくれんぼ


見つけてくれる鬼のいない
街外れの小さな公園
僕はいつも
ひとりかくれんぼ
もういいかい まあだだよ
それを何度も繰り返す
遠くで
下校時間チャイム
キンコンカン
終わりの見えない
ひとりかくれんぼ
僕は
いつまでたっても
帰れない――


点滴の流れる音に。

点滴



点滴の流れる音に

耳を澄ましてごらん

ほら 聞こえてくるよ

ポトン ポトン

一滴ずつ 確実に

に 栄養を与えている

ポトン ポトン

ほら 見てごらん

が 少しずつ

膨らんでいくのを



※入院中ではありません(^_^;)



僕の卒業式(未刊詩集より抜粋)。

卒業式


遠くで
花びらが舞っていた
その下で
の木漏れ日あびながら
笑顔にあふれた
卒業写真
僕は 一人病室で
ベッドの温もり 抱きしめた
近くて近くて 遠い
僕の卒業式
まだ 来ない


※天竜養護学校の恩師後輩たち(1971年4月頃)。

埋葬(オカメインコのクックに捧げる)。

クック


夜が深い悲しみを連れて
降りて来た
やがて訪れる明日が
君にはもう来ない
冷たい君と悲しみを
土に帰す時が来る
もう二度と
大空へ羽ばたかない
羽根は硬く閉じたまま
黒い瞳はもう見えない
君を呼んでも
もう応えてはくれないのだ
家族が一人
永遠にいなくなる
わずかな日々を
思い出と一緒に土に帰す


この病室の窓から。

病室の窓


この病室の窓から
踊る君の姿を眺めていた
明るい空の下で
快活に飛び跳ねる
若き命の塊よ
脈打つ心臓は
明日の未来を夢見ているか
その笑顔は
純粋な心を育む
エネルギーになっているか
若く明るい健全な魂よ
その場所から
化石のように病んだ
この身体が見えるだろうか
くすぶった灰色の空のような
悲しみを握りしめて
この病室の窓から
放り投げている私の姿が――


カルテ(未刊詩集・風のカルテより)。

カルテ

診察室で
主治医がデータを
黙々と書き込んでいく
最初は一枚の
薄いペラペラの紙切れが
いつのまにか
年輪を重ねた
樹木のように育っている
私の カルテ
過去の傷が
積み上げられて
今の私を
育てて来たのです


※病院外来での検査結果が思わしくなく、立ち直るのに時間が掛かってしまいましたが、何とか復帰致しました。心配をお掛けした事をお詫び致します。

君のいた夏。

夏

手すりをよじ登ると
君の痕跡があった
空を掴むために
ここを登ったの?
そうじゃないよね
君は
生まれ変わりたかった
ただそれだけのこと
夏は
もう終わったけれど
君のいた夏は
永遠に
終わらない


※病気を苦に自ら命を絶ってしまった友人に捧げた鎮魂歌。

初掲載:2012年9月29日 午前0時32分17秒。


あなたへ(亡き母に捧げる)。

あなたへ


あなたの胸に抱かれて
眠ってみたい
豊かな乳房を抱えた
あなたの
かぐわしい香りに包まれて
途切れぬ夢の中で戯れて
幸せなひと時を
たっぷりと味わってみたい
この世で叶わぬ想いを
この詩に託して
天国の何処かにいるあなたへ
届けと思いながら
僕は
あなたの乳房を吸ったのですか?
あなたは
僕を
抱きしめたのですか?



※9月8日は母「雪子」の命日。福島の地で自ら命を絶った。享年28歳。

天国の涙(未刊詩集より抜粋)。

笹舟


空が涙の池になり

そこに笹舟を浮かべて

遊ぶのです

おまえの小さな魂乗せて

ふーっふーっと吹いて

さあ

天国の涙で出来た

池の周りを一周しておいで

そうしてまた

我が家に

戻って来ておくれ



※飼っていたオカメインコの『クック』が医療ミスで落鳥した時、娘から『クック』の為に詩を書いて欲しいと頼まれ、その場で即興的に書き上げた作品。

広島の土砂災害で犠牲になった方々のご冥福をお祈り申し上げます。

初掲載:2012年7月15日 01時08分01秒。


青池の大蛇伝説と長楽寺(小説「届かなかった僕の歌」より抜粋)。

青池

 今からおよそ850年ほど前の話しである。仁安(六条天皇の朝1165~)年間、旧西益津村(現在の藤枝市本町辺り)にある岡出山の麓に粉川長楽斎と言う郷士が住んでおり、弁天さまから天神さまにかけての地域を村の人々は長者屋敷と呼んでいた。
 長楽斎は、仏法に帰依して信仰が厚く困っている人には必ず手を差し伸べるほど心優しく憐れみ深かったため、村の人々は「仏心長楽」、「粉川長者」などと呼び敬っていた。
 長楽斎の妻は「秋野」と言い、伊勢の国神戸の住人神戸大蔵人某の娘で、婚礼の際には家来を三人連れて来て、以来藤枝に住まわせ、神戸(かんべ)と言う姓を名乗らせた。それがもととなり、藤枝の三神戸と言う家柄が出来た(私の実家がその内の一つ)。
 その後、夫婦の間に愛らしい女の子が産まれたので、長楽斎は「賀姫(いわひめ)」と名付け、大事に育てた。賀姫は成人するにつれて容姿も大変美しくなり、両親に仕えて孝心深かった。
 長楽斎は、岡出山の下に安置した薬師如来信仰しており、娘もまた父に劣らぬ信仰家で、毎日、朝早く起きては、お参りをしていた。
 ところで、長者屋敷の裏山の東、約2キロ程の所に「真薦(マコモ)池」(現在の青池)と呼ばれる周囲約4キロ程の大きな池があった。この池には昔から大蛇(水龍)が棲み付いており、この大蛇が美しい賀姫に一目惚れし、ある日、美しい小姓の姿に化け、毎朝同じ時刻にお参りして、とうとう賀姫を虜にして池の底深く連れ込んでしまった。
 それを知った夫婦は怒り悲しんだ末に、石を焼いて炎にし、鉄を溶かして湯にし池の中に投げ入れた。その結果、さすがの大蛇もたまらず死んでしまったと言う。
 夫婦は、賀姫の菩提を弔うために、領地を割いて寺を建て、「長楽寺」と名付けた。弁天さまは、その薬師如来の斜め隣になっているが、可哀想な最後を遂げた賀姫のために、その場所を選んで建てたのだそうである。
 現在では押し寄せる宅地化の波により青池も小さくなってしまったが、今もなお、滾滾と湧き出る水を湛えてつつ、ひっそりと散歩する人々に癒しと憩いの場を与えている。池のほとりには大蛇を祀ったとされる弁天堂があり、昭和40年代頃までは広がる水田の中に大蛇の跡の「蛇溝(じゃみじょ)」と呼ばれる水路や、溝が太くなった場所の「見返り淵」などが残っていた。


※私の藤枝の実家に伝わる物語の一つ。実家に不幸があると、三号瓶を持って青池の水を汲みに行き、仏前に供える仕来りがあるが、理由は分からない。神戸家の菩提寺である長楽寺には、粉川長楽斎婦人が使っていたと思われる髪飾が今も安置されている。

最後の合図。

合図

この街の少し先に
君の家があったね
今は家族の残り香だけで
来る人を拒み始めて
佇んでいる
もう 帰る場所がないんだね
行く当てのない子猫のように
ビルの林で迷子になる
戻れない時間と
消えてしまった約束の中で
僕は君に
最後の合図を送った



懺悔の雨。

てるてる坊主

空が思い切り泣いている
枯れた少年の心がひび割れて
砂漠の中に立ち尽くす
母の涙が雨になり
懺悔の雨が降り注ぐ
降っても降っても少年の
心の乾きは癒せない

てるてる坊主が軒下で
雨が止むのを
待っていた
少年の変わりに
ずぶ濡れの
てるてる坊主が
待っていた


※2007年3月、千葉県市川市で起きた『英国人女性殺害事件』で逮捕された市橋達也容疑者をモチーフとして書き上げた詩。市橋受刑者は現在、無期懲役の刑に服しているが、獄中で彼が書いた『手記』が幻冬舎から出版されベストセラーとなった。その印税は1100万円となり、その殆どの額を加害者の遺族に渡そうとしたが断られている。

池の主(未刊詩集より抜粋)。

蓮華寺池

蓮華寺池で
釣りを楽しんでいた
大物が釣れるといいな
だけど
この松の木の下は
まずいだろう
この松の木に登って
池に落ちて死んだ子がいるんだぜ
いやあ 大丈夫さ
蓮華寺池には昔から
主が棲んでいる
大きな白い鯉だ
僕はこの目で見たことがある
水面をすれすれに泳ぐ姿をね
たぶんその死んだ子は
池の主が救ってくれたのさ


※私の故郷、藤枝市にある大きな池。空から眺めると金魚の形をしている。子どもの頃、この池で釣りを楽しんだり探検ごっこをしてよく遊んだものである。藤枝出身の作家、故・小川国夫もこの池をこよなく愛した事でも有名。少年が松の木に登って池に落ちて亡くなったのは本当の話しです。



母の日には冷たい涙の雨が降る。

涙雨

担任の先生は言いました
お母さんの顔を描きましょう
赤いカーネーションを持って来なさい
だから僕は
隣のおばさんの顔と
白いカーネーション
だから母の日には
空から冷たい涙の雨が降る
きっと
空で母が泣いているんだね
ごめんね ごめんね と
謝っているんだね

裸足の少女(鎮魂歌)。

裸足

パタ パタ パタ
パタ パタ パタ
裸足の少女が駆け回る
失くした靴を追いかけて
一心不乱に探してる
春まだ遠い川の底
光も射さぬ底のそこ
冷たい 冷たい
その底で
失くした靴が泣いている
裸足のままでは
行けない所
雲の上のそのまた上に
かあさんくれた大事な靴と
一緒に天に昇るまで
パタ パタ パタ
パタ パタ パタ
少女の足音だけが
こだまする
パタ パタ パタ
パタ パタ パタ


※2011年3月、熊本市内で起こった「わいせつ致死・死体遺棄事件」で、同市内を流れる坪井川近くの排水路で当時3歳だった「清水心ちゃん」が無残な姿で発見された。この事件を知った時、無性に怒りが込み上げて来ると共に涙が溢れ出て止まらなかった。当時、大学生だった容疑者の山口芳寛(20)は2013年6月無期懲役が確定。
清水心ちゃんを弔う意味でこの詩を書き上げました。二度とこのような事件は起きて欲しくないです。

プロフィール

俊樹

Author:俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開800篇を超える作品が出来上がっている。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作を現在執筆中。
父をモデルとした小説「網走番外地」執筆開始。
東京都在住。
血液型O型/星座/山羊座
七草粥の日に産まれる。
2013年より大衆文藝雑誌ムジカにて創作活動中。
詩集・天国の地図 電子書籍化 
ダウンロード販売中!

ムジカ04号絶賛発売中!
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