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漆黒の闇に浮かぶ狂気。 

やまゆり

 7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設『津久井やまゆり園』で起きた障害者殺傷事件は海外メディアもトップニュースで報道するなど、この殺人事件に対する関心の高さを伺わせているが、世界で最も安全な国と言われる犯罪率の比較的低い日本で、一人の男の手によって19人の命が奪われ26人が重軽傷を負うなど、戦後最悪の大量殺人事件が起きた事による驚きと戸惑いの声が届いている。
 銃社会の米国では、銃乱射による殺人事件が多発しているが、規制の厳しい日本でテロとも思えるような大量殺人は過去に例がなく、地下鉄サリン事件や秋葉原無差別殺傷事件などと比較しても海外では『極めて稀』な殺傷事件として伝えられている。
 事件の全容が徐々に明るみに出るにつれて、逮捕された植松容疑者の特異的な異常行動とその性質が浮き彫りになって来ている。
 場当たり的な通り魔事件とは大きく異なり、警備の薄くなった深夜に5本の刃物を用意し、重度の知的障害者ばかりを狙い犯行に及ぶ辺りは、単なる衝動殺人ではない確立した計画性の下で行われた完全犯罪とも思える。
 将来ある若干26歳の青年が、なにゆえ狂気の沙汰に駆り立てられたのか、容疑者の心の闇に巣食っている悪魔の正体を解き明かさない限り、この事件が解決する事はないような気がしてならない。
 私は知的障害者ではないが、障害者手帳1級所持者である。中学の3年間は養護学校に在籍しており、卒業後は高校に進学せず清水市にあった障害者施設で就職支援訓練に一年半励んでいた。社会に出た時、履歴書に養護学校卒や訓練所に居た事は書けず、藤枝の高校を卒業と嘘を書いた。心臓が悪い事も隠し、就職に不利になる事は全て隠し通して来た。
 その背景にはキレイ事では済まされない差別偏見があったのも事実である。男性の場合より女性の立場はもっと酷であり、養護学校に在籍していた事が原因で結婚も出来ないといった信じ難い話しを幾つも聞いて来た。
 高校進学の時、筆記テストは合格でも面接で落とされるなど、希望の高校に進学出来なかった例も少なくない。いずれも病気に対する偏見差別が原因である。法律が整い障害者の立場も以前と比べれば随分と環境も良くなったと思うが、いじめと同様に差別は決して無くなる事はない。
 然しその差別に屈する事なく全ての障害者よ、勇気を奮い立たせて前を向け。弱者の立場に甘んじてはいけない。チャレンジ精神を忘れないで欲しい。
 最後に、この事件で尊い命を奪われた19人の方々に心よりお悔やみとご冥福をお祈り申し上げます。

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世界はロックに充ちている(追悼:D・ボウイ)。 

デビッド・ボウイ

 世界の音楽シーンに多大な影響と輝かしい足跡を残して来たロック・シンガーで俳優のデビッド・ボウイさん(69)が10日、がんとの闘病の末その生涯を閉じた。音楽関係のみならず各界から彼の死について惜別の言葉が続々と届いている。
 1970年代初頭に登場したグラムロックは、当時のミュージシャンや若者に絶大な影響を与え、ひとつのロックスタイルを確率したと言えるだろう。その中心的人物こそがデビッド・ボウイであった。
 私自身は彼の登場以前にT・レックスのマーク・ボランに傾倒していたため、『ゲット・イット・オン』をレコードの針が擦り切れるほど聴き込んでいた。D・ボウイの曲を初めて聴いたのは、1973年6枚目のアルバムからシングルカットされた『ジーン・ジニー』だったと記憶している。
 現代のように便利な映像媒体がなくアナログの時代であったから、音楽の情報は『ミュージック・ライフ』などの音楽専門雑誌が中心だった。その奇抜な衣装やメイク、ヘアースタイルは彼が創り出すソウルフルな音楽と相まって聴く者の心を鷲掴みにした。
 彼の名を決定的なものにしたのは言わずと知れた『レッツ・ダンス』であるが、俳優としての才能を見せつけた作品、大島渚監督の映画『戦場のメリー・クリスマス』ではないだろうか。大島監督が彼を主役に抜擢したのは勿論、彼が出演していた『エレファントマン』などを見て、その演技力に惚れ込んだからであるが、『戦メリ』に登場する役者はビートたけしを始め、坂本龍一、内田祐也、内藤剛志、ジョニー大倉、室田日出夫、三上寛など強烈な個性派揃いであり、その誰もが主役級である。
 その豪華極まる出演者の中で最も存在感を醸し出していたのがD・ボウイだった。長寿世界の中で69歳という年齢は、やはり早すぎる死として悔やまれてならない。世界の至るところでテロや戦争が起こり不安定な現代の今だからこそ『武器を楽器に変えて平和を訴えろ!』と彼がそう語りかけて来るような気がしてならない。
 最後にファンのひとりとして、デビッド・ボウイさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます(合掌)。

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怪しい日本年金機構。 

ウイルスメール


 つい最近まで連日ニュースやワイドショーなどで放送されていた日本年金機構個人情報流出問題であるが、その全体像が明らかになるにつれて、機構側による情報管理のずさんな対応や初期動作の不手際が浮き彫りになっている。

 なにゆえ125万件にも及ぶ膨大な個人情報が流出するに至ったのか、適切な対応を施していれば被害拡大は免れた筈である。私が以前お世話になっていた某システム社ではISMS(情報セキュリティシステム)が徹底されており今回のような情報流出はなかったが、それでもやはり間違いは起きるもので、もしパソコンウイルスに感染した、或いは疑いが生じた場合、即座に繋がっているLANケーブルをパソコンから抜くようにと教えられていた。

 ほんの少し機転を利かせば被害を最小限に食い止める事が出来るのであるが、これは情報管理に於ける初歩の初歩であり、ネットの世界では当たり前の事。インターネットが普及し、個人、企業にかかわらずメール利用が通途となっている現状であるが、企業や国に関わる機関が仕事上でヤフーなどのフリーメールを利用してやり取りする事はまずないであろう。

 それを大前提として今回の流出事件を捉えてみれば、国の全職員にISMSが徹底されていなかったと言う事になる。フリーメールが届いた時点で疑問を抱くのが当然であり、添付ファイルを開く前に送信元に電話を入れ「このようなメールが届いてますが…」と確認を取るのが常識だ。

 僅か数分で済む行為を怠ったために、取り返しのつかないリスクを背負ってしまう事になる。国民の大切な年金を預かる国側の危機管理に対する認識の甘さが招いた悲劇であるが、第一次安倍内閣時代にも社会保険庁の『年金記録問題』があり、オンライン化したデータの入力ミスや不備が散見され、社保庁のずさんな管理体制が問題になっていた過去もある。

 不適切な事務処理によって『年金記録消失』と言った大失態を招き、大騒動になった事を思い出す。こんな懸念材料ばかりの中で安倍内閣が推し進める『マイナンバー制度』は果たして本当に大丈夫なのだろうかと、益々不安が募るばかりである…。

 

※心臓疾患に伴う精神的体調不良でブログを休んでおり、皆様にご心配をお掛けした事をこの場をお借りしてお詫び致します。


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シリアに散ったサムライの命。 

後藤

 全国民の願いも虚しく、ジャーナリスト後藤健二さんがイスラム国を名乗る者の手によって殺害されてしまった。2月1日の早朝(日本時間)ネット上にその映像は世界(日本)に向けて配信された。黒装束に身を纏い、自らを「ジハーデイ(聖戦士)」と名乗る男は、鋭い刃物を振り翳しながらカメラに向かい日本政府に対し声明文を声高らかに読み上げた。
 その内容は安倍首相を名指しするなど過激な文面で構成されており、後藤さん殺害が終わりではなく、日本にとって『悪夢の始まり』と語っている。これはまさしく日本に対する『宣戦布告』と受け取ってもよいだろう。
 人質事件発生以来、日本政府はヨルダンに現地対策本部を置き、情報収集や人質解放に向けて全力を注いで来たが、イスラム国に対し交渉の切り札を持ち合わせていない為、ヨルダン政府に頼らざるを得ないといった他力本願的な対応に、私たちは何ともし難いやりきれぬ思いと歯痒さを抱いていたのではないだろうか。
 ネットワークを巧みに操り、あらゆるプロパガンダに利用する様はあの『ヒトラー』を想起させる意味においては、『イスラム国』が単なるならず者の集団ではない事は明らかである。そしてまた今回の邦人人質事件が絶妙のタイミングで安倍首相の中東訪問時に発生した事は、裏を返せば安倍政権の失策が齎した結果とも思えるのである。
 「テロには屈しない」と「人命が最優先」この相反する二つのジレンマに立って、身動きが取れず、自ら窮地に追い込まれた日本政府は後藤さんを見殺しにしたのである。
 テロリストの言葉を受けて、苦渋に歪んだその表情から込み上げて来る悲しみと怒りを懸命に堪えている安倍首相の口から「後藤さんを解放する代わりに私が身代わりになる」くらいの力強い言葉を発して欲しかった。それこそが『国民の命を守る』頂点に立つ者の姿である。
 紛争地帯に赴き、その地域の惨状や生の声や映像を私たちに届けてくれるジャーナリストや戦場カメラマンは、武器こそ携えていないものの、一人の兵士そのものである。正義と勇気と行動力、その使命感に燃える後藤さんの姿に私はサムライ魂を垣間見た気がする。
 そして更に付け加えるとするならば、平和や命の尊さをリスク覚悟で訴える彼らの命が、理不尽な暴力によって奪われるなどと言う事は絶対にあってはならないし、阻止すべきである。アルカイダやタリバンさえもその残虐性に目を背けると言う過激テロ集団『イスラム国』がなにゆえ誕生したのか、その背景に『湾岸戦争』や『イラク戦争』が複雑に絡んでいるとするならば、アメリカをはじめ世界各国も内省しなくてはならない点も多分にあるだろう。何れにせよ今は唯々、湯川遥菜さんと後藤健二さん両氏のご遺体が家族の元に一刻も早く帰って来るよう、心より願うとともにお二人のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

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御嶽山に黙祷。 

御嶽山

 バラバラと激しい音を立てて無数の噴石が情け容赦なく降り注ぐ。極限状態に追い込まれたその中を逃げ惑う多くの登山者たち。山頂付近の山小屋に避難し身を寄せ合って噴火が収まるのをじっと待つも、立ち込める灰色の噴煙で辺は暗闇に包まれ視界は殆ど遮られた。火山灰噴石の雨は止むことを知らず激しさを増して降り続ける…。
 携帯を取り出し家族や友人にメールを送る人々…。「お母さん、ごめんね」それは死を覚悟した最後の言葉だったのかも知れない。余りにも衝撃的な映像の連続に私は言葉を失ってしまった。
 戦後最悪の火山災害を齎した御嶽山噴火から一週間が経過した。火口からは今もなお白い噴煙が立ち上り、噴火が収まる気配は見受けられない。今回の噴火による犠牲者は現時点で51人となり、23年前に発生した雲仙普賢岳の大火砕流で犠牲となった43名を大きく上回る結果となった。
 御嶽山に入山した行方不明者が現在も十数人存在する可能性が高く、県警や自衛隊による懸命の捜索活動が続けられているものの、雨などの天候不順により中止するなど捜索は難航を余儀なくされている。
 美しい紅葉を見せる御嶽山が一瞬にしてその姿を変貌させ、登山者を恐怖の坩堝へと巻き込んで行く。澄み渡る碧天の空が突如として濛々と黒い噴煙で覆い尽くされる。吹き出した噴煙は上空8千mまで達したと言われる。
 噴火から一夜明けた御嶽山の容貌は一変し辺り一面、灰色の火山灰に覆われそこに降った噴石の跡が噴火の激しさを物語っていた。まるでそれは月面のクレーターを想起させ、活火山の持つ破壊力と大自然の猛威をまざまざと私たちに見せ付けた。
 火山の研究者や専門家たちは口を揃えて「噴火の予知は極めて困難」と言う。特に今回のような水蒸気爆発の場合は過去に殆ど前例がない為、マグマ噴火と比べても極めて難しいようだが、噴火の前兆が全く無かったと言う訳ではない。
 過去に水蒸気噴火を頻発している「草津白根山」の例を熟知し速やかに取り入れていれば、御嶽山の警戒レベルは2に引き上げられていたかも知れない。活火山を100以上も抱える日本はいわば火山大国でもある。気象庁・火山噴火予知連が無能と言われないよう、役に立つ研究に専心して頂きたい。
 活火山が与えてくれる自然の恩恵も大きいが、自然がひと度牙を剥けば今回のような大災害に繋がると言う事を忘れてしまわぬよう、謙虚な姿勢で自然と向き合う事が必要なのかも知れない。台風18号が過ぎ去れば、捜索が再開されるだろう。
 家族や友人たちの祈りを背中に感じながら、捜索隊の長い列が御嶽山の山頂を目指して歩を進める姿が眼に浮かぶ。降り積もった火山灰と、そして火山性の有毒ガスが隊員たちを待ち構えている。今はただ一刻も早く行方不明者が見つかり、家族の元へ帰る事を祈るばかりである。
 今回の噴火で犠牲となった多くの方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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エボラの逆襲。 

エボラ

 日本国内では実に約70年ぶりとなるデング熱感染が巷を騒がせている。厚労省発表によると、現時点での感染者は34人となり、今後更に感染者は増えるものと思われる。国内感染は、東京、埼玉、新潟、千葉、大阪、山梨、青森、愛媛と全国に拡大しつつある。患者の殆どは代々木公園やその周辺を訪れていた時に感染したようだ。
 既にご存知のようにデング熱は『』を媒介として感染して行く。おそらく最初の感染者は国外でウイルスを持ったに刺され、そのまま帰国したのではないだろうか。何れにせよ、が大量に発生するような場所は避け、に刺されない事が唯一の予防法である。
 さて、海外に眼を向けて見るともう一つのウイルスが猛威を奮っている。西アフリカを中心として感染が拡がるエボラ出血熱であるが、感染防止のため大統領命令で「握手禁止」と言う非常事態にまで陥っている模様。
 2013年12月、ギニアから始まったエボラ出血熱の感染は留まる事を知らず、今年の4月に爆発的感染が確認される事となる。その後8月、WHO(世界保健機構)が「非常事態」を宣言。感染拡大を防ぐため、各国政府、NGOなど国連機関と連携し支援活動を行っているが、感染収束の見通しはいまだ立っていない。
 医療現場からの報告によれば、支援に当たっている医療従事者の感染も増え始めており、機能停止に陥る病院も多いと言う。一旦は治まったかに見えた流行が数週間後には再び拡大し始め、現場を逃げ出す医療従事者も続出しているらしい。
 おそらくその現場は眼に見えな敵との戦闘状態にあるのだろう。主要病院が次々と閉鎖に追い込まれ、地元の医療は尽く崩壊して行く。まさにウイルスの絨毯爆撃にでも晒されているかのように…。
 エボラ出血熱の感染者数がこのまま推移して行くとなれば、おそらく2万人を遥かに超える事態になるのは時間の問題であり、日本から遠く離れた最果ての地で起こっているウイルス騒動がデング熱に飛び火する日が来るかも知れない。
 地球温暖化によってその生息分布が大幅に拡大された小動物や昆虫などが齎す新たな恐怖、それが「熱帯ウイルス」だ。致死率50%と言われるエボラに比べればデングは遥かに安全かも知れないが、その安全と言う麻薬的な言葉に騙されてはいけない。
 自分は大丈夫と言う「驕り高ぶる」態度や言動こそが人の心を蝕む最大のウイルスかも知れない。病気に対し謙虚な姿勢で臨む事、これが最良の予防策ではないだろうか。

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Secret of Ukraine。 

ミサイル

 分離独立を巡って政府軍と親ロシア派の間で対立が激化しているウクライナ。動乱の半島、クルミアの領有問題が発端となり、深刻化する政情不安が思いもよらぬ悲劇を招いてしまった――。去る17日、耳を疑いたくなる様な、俄かに信じ難いニュースが世界を揺るがした。
 マレーシア航空のボーイング777型機が何者かのミサイルによって撃墜される…。この衝撃的なニュースは瞬く間に世界を駆け巡った。事件発生当初はエンジントラブル等による事故と思われていたが、親ロシア派武装勢力が所有する地対空ミサイルBUK(ブーク)』によって撃ち落とされたものとする見方が強まっており、乗員・乗客合わせて約300名が全員死亡する大惨事となった。
 マレーシア航空機が飛行していた空域は、ウクライナ政府軍と親ロシア(分離独立派)が連日激しい戦闘を行っている内戦の真っ只中であり、そこはまさに『戦場』そのものだった。同機が何ゆえそのような危険地帯を飛行ルートに選んでしまったのか疑問が残るものの、戦闘の最も激しいとされる西部地域は飛行禁止空域に指定されており、撃墜された東部に至っては比較的平穏な非戦闘地帯と認識されていたのかも知れない。
 が然し、何れにせよウクライナ全土を危険地帯とみなし、飛行ルートからウクライナを外すべきではなかったかと、航空会社の危機管理体制の甘さも露呈した形となっている。
 マレーシア航空機は今年3月にも謎の失踪事件を起こし、4ヶ月経った今もその原因は謎のまま解決に至っていない。そして今回の撃墜事件であり、同国は落胆と渦巻く悲壮感の波により航空会社存続の危機に立たされている。
 多数の民間人の犠牲者を出したこの『撃墜事件』であるが、ミサイル発射を巡ってウクライナ親ロシア派の意見は真っ向から対立しており、どちらも関与を否定し責任の擦り合いが国際社会にも飛び火し、ロシア、アメリカをも巻き込んで泥沼化する様相さえ見せようとしている。
 仮に今回の事件が民間機と分かった上での撃墜だとするならば、まさしくその行為は『テロ』であり、国際社会の正式な場で断罪されるべきであろう。
 犠牲になった多くの命を弔う為にも国際社会が一致協力して、真相究明に全力を傾けて頂きたいものである。

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からくりだらけの脱法ハーブ。 

ハーブ

 巷に溢れ返る脱法ハーブは、いとも簡単に子どもでさえ手に出来そうなほど身近な存在となっており、この合法ドラッグを巡って年々事件・事故が多発している。
 これについて法の整備が追い付かず、対応は終始後手後手で終わり、早急な法整備による取締りが急務となっている。
 先日24日に池袋の繁華街で起きた「暴走車事件」では、歩行者7人が車に跳ねられ重軽傷を負い、中国人女性の林雪琴さん(30)が死亡すると言う痛ましい事態となった。
 逮捕された名倉佳司容疑者は、運転直前に脱法ハーブを吸っていた事が明らかになっており、逮捕時、運転席で眼は虚ろ、意識は朦朧とし中途半端に開いた口からはヨダレがだらしなく垂れ、自力で車の外に出る事が出来ず、署員に引っ張り出されると言う状態であった。
 名倉容疑者が吸っていたと思われる脱法ハーブは、最近になって流通し始めた幻覚作用の強い最新型である可能性が高い事から、警視庁は入手経路やハーブの分析を急いでいるようだ。
 脱法ハーブは2004年頃より、欧州を中心として「Spice」と言う名称の乾燥した植物片を芳香剤お香として販売し、喫煙する事により大麻と同様の作用が現れると言う噂が広まり人気を得るに至った経緯がある。然し、調査の結果「Spice」から大麻成分は検出されず、含有成分を特定する事が出来ず不明のままであった。
 その数年後の再調査で「Spice」から大麻と類似する作用を示す「合成カンナビノイド」が検出され、この時点で初めて人工的に合成された薬物が添加されている事が明らかになった。
 巷に出回っている脱法ハーブの殆どは、お香芳香剤などと偽った目的で販売されており、指定薬物として薬事監視員による監視及び指導が行われているが、単純所持や使用の場合は規制外とされ、購入者の規制は事実上無しである為、罰せられない事から「合法ハーブ」として乱用を助長している側面もある。
 それにしても、このような実に危うい薬物を使用して車のハンドルを握ると言う行為は、脱法ハーブ以前の問題であり、「車は凶器」であると言う認識がドライバーに浸透しておらず、車社会を生きている私たちの最も身近なリスクの一つでもある。
 私も車の免許は持っているものの、精神科の主治医から「車の運転は出来れば止めておいた方がよい」とアドバイスを頂いた事もあり、メンタル系の薬を服用するようになってからは運転から遠ざかっている。
 メンタル系の薬に限らずどんな薬にも副作用は付き物であるし、特に眠気を催す薬は要注意である。時代とともに複雑化する人間関係や、情報化社会の波に呑み込まれて自分自身を見失い、路頭に迷う疲れた人々の心に降って沸いたような悪魔の囁きが語りかけて来る…。
「極上のひとときを貴方に、未体験ゾーンが貴方を待っている」
 あなたはこの誘惑に打ち勝つ事が出来ますか?


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首都直下型地震までのカウントダウン。 

直下型

 GWも終盤に差し掛かった5月5日、早朝5時を少し回った頃、伊豆大島近海を震源とするM6の地震が発生。都心の千代田区では最大震度5弱を観測し、東日本大震災が発生した3年前の3.11以来の強い地震となった。
 地震が発生したその時間、私は珍しく少し早めの朝食を摂っていた。最初に揺れを感じた時は震度2程度の軽いものであったが、揺れが収まったその数十秒後に下からドスンと突き上げるような揺れがあり、棚から物が落ちて来るのではないかと思うほどの強い横揺れに変わった為、「うわぁ、ヤバイ!」と小声で呟きつつ咄嗟にベッドから降り、直ぐ横にあるデスクトップPCを両手で押さえた。
 3.11の時はそんな行動をとる暇もないほど強烈な揺れの中で呆然としていたが、気が付いた時は部屋中に物が散乱し、パソコンもラックから飛び出して倒れかかっていた。そんな3年前の経験があった為、大切なデータ類がぎっしり詰まっているPCを、自分の身体よりも優先して保護しようという咄嗟の判断だった。
 幸い今回の地震による被害は殆どなかったようで、首都圏も平穏無事にその一日を迎えていた。然しながら未曾有の3.11大震災発生以来、日本列島を取り巻く地震環境は大きく変化し、列島の何処で巨大地震が発生しても何ら不思議ではない「リスク列島」へと日本は姿を変えてしまった。
 気象庁の発表によれば、今回の地震が想定されている「首都直下地震」とは震源域も異なるため関連性は低いものと説明されておりむやみに心配するほどの事はないと思われる。然し、直下型地震の引き金になる可能性も0ではないため、何れその時が来るであろう「東京直下型巨大地震」への心構えと防災を徹底し、被害を最小限に抑えるための訓練を、個々の人々が実践してこそ「心と身体の防災」へと繋がって行くものである。
 私のように病気を抱え、毎日大量の薬を服用している者にとっては、二重のリスクを背負う事となる為、障害を持つ人たちは優先して援助の手が差し伸べられるシステムが整ってはいるものの、緊急事態の場合は何が起こるか分からない想定外のリスク発生も十分に考えられる。
 援助の手を待つだけではなく、自分で出来る範囲の事は自己責任で解決しておきたいものである。家の外に逃げる状況になった時の為に、私の場合はまず最低でも一週間分の薬と新鮮な水を常備し、持ち出せる状態にしておく事だろう。
 「備えあれば憂いなし」の言葉通りで、災害に対する意識の向上と日頃の心構えこそが、自分或いは他者の命を守る結果へと結び付いて行くのではないだろうか。

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日常の中に潜む狂気。 

通り魔

 今月3日、千葉県柏市で起こった「連続通り魔事件」は、容疑者と見られる男「竹井聖寿(24)」が逮捕された事で急展開をみせ、事件発生現場となった柏市の住宅街に安堵の色が広がり平穏な日常生活が戻りつつある。
 逮捕の決め手となったのは防犯カメラやDNA鑑定によるもので、コンビニや逃走ルートの割り出しで掴んだ場所などに設置された防犯ビデオ等を徹底解析し、その結果事件発生から2日後と言うスピード逮捕に繋がった。
 関東地方のベッドタウンとして人気の高い柏市、長閑な佇まいが広がる住宅地で、その事件は起こった。3日の深夜に差し掛かった時間帯、柏市あけぼのの路上で短時間の間に男性4人が刃物のようなもので立て続けに襲われ、その内2人が死傷すると言う凶悪犯罪が発生。
 柏警察署は「連続通り魔事件」と断定し、犯人検挙のため約7万枚にも及ぶ似顔絵を作成し、情報提供を住民らに呼び掛けた。
 容疑者として浮上した男は事件発生現場近くのマンションに住む24歳の青年で、その素顔にはまだ少年の面影を残すほどのあどけなさがあった。
 犯行の動機について、竹井容疑者からの供述で「金銭目的」「社会に不満があった」などが判明しており、事件の裏付け捜査も佳境に入っているものと思われるが、24歳の青年を狂気に走らせたその背景にある「社会への不満」とは一体何だったのか最も気になる部分であり、青年の犯行心理も含めてこの事件の全容解明が待たれる所でもある。
 今回のような青少年による凶悪犯罪が起こる度に思い出すのは、2008年6月に起きた「秋葉原通り魔事件」である。当時、私は「不安定狭心症」の為、秋葉原近くにある三井記念病院に緊急入院していた。CCUのベッド上で絶対安静だった私の耳に事件発生の情報など入る筈もなかったが、面会に来ていた家族からその事件の全容を知らされ、外は大変なパニック状態に陥っていると聞かされた。
 当病院にも被害者一人が救急車で運び込まれたが、残念ながら既に死亡していたと言う。秋葉原事件の容疑者もやはり25歳の青年であり、犯行動機や事件の背景なども今回の事件と酷似しているように思えるのである。
 勝ち組や負け組といった言葉が流行りだし、孤独感と社会的孤立に陥る若者たちが増幅し、就職活動も思うようにならず正規雇用とは程遠い「登録型派遣労働」と言う経済的にも不安定な環境を強いられ、精神的・経済的にも追い詰められて行くその過程で、人生の歯車が大きく狂いだし犯罪の道へと手を伸してしまうと言った「経済型社会不安」が少なからず事件の根底に根付いているような気がしてならない。
 それにしても閑静な住宅街でまさかこのような凶悪犯罪が発生するとは、誰もが想像しなかったのではないだろうか。普段、私たちは平穏な日常の中で日々の暮らしを営んでいるが、危険は常に隣合わせであると今回の事件は教えてくれているように思う。
 いつ何処で事件・事故に巻き込まれるか分からない複雑な人間模様と現代社会の中にあって、「自分の身は自分で守る」この言葉を心の片隅に忘れず忍ばせておきたいものである。

テーマ: 許されない出来事

ジャンル: ニュース

タグ: 通り魔事件  柏市  竹井聖寿  容疑者  逮捕  防犯カメラ  犯罪 

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困ったもんた。 

もんた

 有名人の親を持つその家族は時と場合に寄ってかなり神経をすり減らす。成功している親の足を引っ張らぬよう毎日の気配りが欠かせない。それは親と子の立場が逆転しても同じ事であるが、一般の社会と違い、芸能界のようなスキャンダラスに充ちた世界に身を置くとそれは更に顕著となって現れる。
 先日、タレントみのもんたさんの次男で日本テレビ社員の御法川雄斗(みのりかわゆうと)容疑者(31)が、不正入手したキャッシュカードを使って現金を引き出そうとしたとして、窃盗未遂の疑いで逮捕された。
 事実経緯の詳細が現時点で明らかになっていない事から、マスコミ関係者が余り騒ぎ立ててしまうと事の真相が表面に出ず藪の中に隠れてしまう可能性も孕んでいる。
 彼が日本テレビのエリート社員と言う立場から見ると、罪状が窃盗未遂と言う部分も大いに気になるところであり、窃盗をするほど金銭に困っているとはとても思えない。
 家庭も仕事も飛び抜けて恵まれた環境にあり、順風満帆の人生を歩んでいた御法川容疑者…。そこに降って沸いたような今回の窃盗未遂。この事件の背景にはわたしたち一般人には到底理解の及ばない何かが隠れているような気がしてならない。
 彼にしてみれば、父「みのもんた」の存在は計り知れないほど大きかったのだろう。親の七光りを上手く利用して狡猾に振舞う政治家たちほどの神経の図太さを彼は持ち合わせていなかった。常に比較される兄の存在も彼には相当のプレッシャーと感じ取っていたのかも知れない。
 自分の方を向いてくれない親の関心を引くために、子が意図的に親を困らせる事がある。まるで駄々っ子のように親の愛を独り占めしたくなる…。大人になりきれない自立心が欠如した心のままで育ってしまった結果ではないだろうか。

テーマ: 芸能界のニュース

ジャンル: アイドル・芸能

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狂った青春、16歳の夏。 

死体遺棄事件

 凶悪犯罪の低年齢化が問題視されるようになってから久しいが、10代の少年少女たちによる犯罪は後を絶たず、俄かに信じ難い耳を疑いたくなるような事件が増えて来ている。
 先日の14日、広島県呉市で起きた「16歳少女死体遺棄事件」では、県警の捜査が進むに連れて事件の真相が少しずつ明らかになって来てはいるものの、依然として不可解な点が多く謎に包まれた部分が事件の全容解明を拒むように暗い影を落としている。
 元同級生を殺害し、同県呉市の山中に棄てたと自首して逮捕された16歳少女の供述によれば、スマフォのメールアプリ「LINE(ライン)」を介して、「殺す」「殺せるものなら殺してみろ」等の激しい言葉の暴力で口論となり、その腹いせに相手を山中に連れ出し、首を絞めて殺したと言うものであった。
 然し、その後になって事件に関与したとされて16歳の少年少女5人と21歳の男を含む計6人が新たに逮捕されている。
 逮捕された容疑者たちの供述によれば、21歳の男が運転するワゴン車に乗り込み、遺棄現場である灰ケ峰まで移動し、集団で殴る蹴るの暴行を加え、死に至らしめたらしい。
 供述内容が個々により微妙に食い違う点もあり、中には関与自体を否定する者までいる。憶測の域を出ていないものの、少女たちとの間で「接客業」で儲けた金銭を巡ってトラブルを起こしていたなどと言う報道すら聞こえて来ている。
 この「接客業」が何であったのか事件の真相究明に繋がる重要なポイントとも思われるが、何れにせよ複雑怪奇な少年少女たちの人間関係が捜査の行方を更に混沌とさせているのは確かなようである。
 殺された少女と自首した少女は、元々仲の良い友人同士だった事も判明しており、その二人が言い争う原因が何だったのか現時点では分かっていない。
 21歳の男を除く5人とも未成年、しかも僅か16歳と言う若さである。世間の一般常識に当てはめて見れば、まだ子どもとも思える年齢であるが、思春期の真っ只中、最も多感な年頃でもある。
 一見仲の良さそうな者同士であっても、心を許しあえるほどの仲でない限り、相手の奥深い胸の内まで見る事も理解する事も不可能であるだろう。もしかすると、言い争いの発端が「彼氏(交際相手)」を巡ってのトラブルだったかも知れない。
 多様化する欲と暴力の現代社会の縮図を垣間見たような事件でもあり、希薄な人間模様が生み出した後味の悪さを実感するものであった。殺された少女は兎も角としても、この事件の犠牲者は16歳の少年少女たち全員のような気がしてならないのである。

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富士山は心の世界遺産である。 

富士山

 山開きを目前に控えた富士山、世界文化遺産登録の勢いも相まって、四方の山を見下ろしに各地から多くの登山客が押し寄せる気配である。
 今年の山開きは世界遺産と言う、とてつもなく大きなお土産付きであり、普段よりも数倍バージョンアップしているだけに、富士山に祀られている女神である「木乃花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」もたいそうお喜びになっている事であろう。
 先日、除外勧告を受けていた「三保の松原」であるが、ユネスコの委員国から登録を訴える声が相次ぎ、急遽この三保の松原も富士山と対である事が認められ、世界遺産に含まれる事が決定した。
 富士山の眺望を楽しむ時、あらゆる場所・角度によってはその富士山の醸し出す雄大な美しさは千変万化である。富士山の楽しみ方は個々により異なって来るし、単体で見る方が良いと言う人も中にはいるだろう。
 見るだけでは飽き足らずその魅力に取り憑かれた登山家も数多くいるし、富士山の捉え方は様々に変化し一度足りとも同じ景色を見せない所も富士山に限らず、自然の成せる技とでも言えようか…。
 わたしの郷里である藤枝市にも「富士見平」と呼ばれる場所があり、そこは永享4年(1432年)、室町幕府の将軍・足利義教が富士山を見る為に大勢の家来を従え、駿河に下ったおりに駿府に入る前日、鬼岩寺に宿を取った。
 その時に裏山(蓮華寺山)に登り高草山(藤枝で一番高い山)越しに富士山を眺め、和歌を詠んだと言われている。それ以後その場所が「富士見平」と呼ばれるようになった。
 幼少期を藤枝で育ったわたしは、勿論この富士見平に何度か足を運び、富士山の景色を堪能したものである。
 15歳の時に養護学校を卒業した跡、高校には進学せず、清水市の「三保の松原」からバスで30分程度の所にある療養所件職業訓練の施設で約1年半に渡りお世話になった。早朝5時には起きて、施設から徒歩10分程度で久能海岸に着く為、毎朝日課に取り入れていた。
 駿河湾を挟んで東の方角には、圧倒的な迫力さえ魅せる富士山の姿が半分寝ぼけ眼の瞳に飛び込んで来る。早朝の富士山を眺めて一日が始まり、そして駿河湾の沖合いでは桜えびの小型漁船が幾つも連なって波間を往来していた。
 清水市に住んでいた訳だから、勿論「三保の松原」にも何度か足を運んでいるが、それは海水浴が目的で、富士山を眺める為のものではなかった。
 わたしは幼少の頃から心臓が悪い為、山登りは出来ない。然し、自分の命がある限り一度で良いから自分の足で富士山に登ってみたい…それが今のわたしの夢でもある。それは到底叶わぬ事と理解はしていても、一度もチャレンジした訳ではないので行動する前に諦める事だけはしたくないと思っている。
 我が故郷の山・富士山…それはわたしにとって心の世界遺産でもある。

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テロリストは風に紛れて時を待つ。 

ボストン

 冬から春へと装いを変えた爽やかな風を縫って多くのアスリートたちがゴールを目指していた。気温14℃、雲一つ見当たらない晴天、走るには絶好のマラソン日和だった。
 マラソンを愛する者であれば、一度は走ってみたいと思うほど、このボストン・マラソンは数ある大会の中で最も歴史の古いマラソン大会である。が然し誰もが参加出来る訳ではなく、過去のレース記録によるハードルが年齢枠ごとに高く定められており、良い記録を出さなければ参加出来ないと言う、ランナー泣かせでも有名である。
 4月15日の月曜日、世界各国から約2万7千人がエントリーすると言う過去に類を見ないほどの大規模な設定の中で大会は幕を開けた。その輝くゴールに悪魔の手先が風に紛れて待ち構えている事も知らずに…。
 事件が発生したのは大会がスタートしてから6時間後の午後3時過ぎの事だった。ゴール直前の観客席が設定されている歩道のゴミ箱で1回目の爆発、オレンジ色の火柱と共に爆発音が会場を揺るがし、白煙が高々と舞い上がって行く。
 そしてその約10数秒後に2回目の爆発。それはランナーから見れば、ゴールより少し手前の別の場所であった。
 ゴールを目前にし、笑顔を浮かべる者、手を高々と宙に向けながら、完走の喜びをを全身で表している者。それを拍手と歓声で迎えいれる観衆たち、走者と観衆が一体となって大会の喜びに浸っている矢先の事であった。
 飛び交う怒号そして悲鳴…瞬時にして会場は戦場の如く修羅場と化して行った。この爆破事件を知ったオバマ大統領は「複数の爆発物によるテロ行為」と言明。
 死者3名、負傷者約180名に及ぶ大惨事となったこの連続爆破テロ事件により、アメリカ全土が大きく震撼した事は言うまでもない。
 死亡した3人のうちの1人は、家族5人でこのマラソン観戦を楽しんでいた僅か8歳の無垢な少年であり、家族のショックも然ることながら悲しみに暮れるアメリカ市民に与えた影響は計り知れない。
 事件発生当初は情報が錯綜し、勢い余ったマスコミが「容疑者を逮捕」などと一旦報道するも、FBIが「そのような事実はない」と否定する場面などもあり情報と捜査が混乱を極めていたが発生から数日経った現時点では爆発に使われていた火薬や材料なども明確になって来ている。
 然し、その内容を知る限り余りにもわたしたちの生活に身近なものだっただけに更にショックは隠し切れない。
 犯行に使用されたのは圧力鍋であり、更に殺傷能力を高める為の材料として、釘、BB弾、ボールベアリングなどの金属片だった。そしてまたその爆弾の製造方法が国際テロ組織「アルカイダ」関連のウェブサイトで紹介されており、作ろうと思えば相手を選ばないと言う実に空恐ろしい状況まで見えて来ているが、裏を返せば誰もがテロリストになり得る事を証明したようなものである。
 このような爆発テロ事件が起こる度に、わたしたちはイスラム過激派などと結びつけてしまいがちであるが、それは早計だと今回の事件は教えてくれているような気がしてならない。
 この事件の背後関係などを調査してみても今のところ犯行声明も出ていないし、爆薬の質や量などから察するに背後に組織的テログループの存在は見当たらない事から、個人及び少数の人間が関与しているのではないかと思われる。
 テロの定義はなんだ?と訊かれてても、わたしには即座にそれに見合う応えが出て来ない。わたしから見れば、「秋葉原無差別連続殺傷事件」もまた「テロ」と同類だと思えて来るのである。つまり日常の中に潜む狂気こそ最も危険極まりないテロだとも考えられるからだ。
 ターゲットや場所など、そして犠牲者の数で決め付ける事は出来ないし、未遂に終わったとしても行為に及ぶまでの過程も含めてテロだとわたしは思う。
 今回の事件では警備の甘さが指摘されているが、観衆も含めると100万人近い規模になる事からすれば、如何にテロ対策が困難であり、増員増強を重ねても見落としてしまうと言う「ソフトターゲット」に対する懸念が現実となって姿を現した結果なのだろう。

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北朝鮮の限りなき野望と現実。 

ミサイル

 核とミサイル依存症の国「北朝鮮」から、不意打ちの長距離弾道ミサイルが一発フィリピンの方角に向けて発射された。
 今回のミサイルも前回4月の時と同様に、人工衛星と言う肩書きを付けての打ち上げだった。前回の失敗を是が非でも取り返すべく、当局は持てる技術の全てをミサイル一発(約700億円)に賭けていた事は周知の通りである。
 金正日総書記の「先軍政治」を継承すべく金正恩政権は、父親の「遺訓」である「核・ミサイルの開発」を国の最も重要課題として継続の意思を明示し、金総書記没後1年を節目として国内外に武力と権力を誇示する為の"祝砲"と相成った訳である。
 打ち上げまでの過程を省みると、其処には北朝鮮ならではの狡猾なシナリオが設定されていた訳だが、発射予告通りに進めたのでは自前の挑発行為そのもののインパクト性に欠けると思ったのか、打ち上げ延期と言う形で諸外国の警戒感を緩慢へと導く目論見があったようである。
 日本国内では衆議院選挙戦の真っ最中でもあり、その延期によって当面は選挙一筋に打ち込めるとたかをくくっており、街中に騒音を撒き散らす街宣車もどきの選挙カーが縦横無尽に「○○に一票を」と
選挙の時期だけ必死になる候補者たちの姿が至る所で見受けられた。
 この悪意に充ちた北のシナリオに最も打撃を受けたのは休戦中の韓国である。情報が錯綜し混乱を招き政府の情報分析力に国民の批判が集中した。
 韓国にとって北のミサイル発射成功は最も屈辱的なものであったろう事は察しが付く。何故ならば韓国は国産のロケットでの衛星打ち上げに成功していないからであり、長距離ミサイルの技術では北朝鮮に一歩リードされている形となってしまったからでもある。
 何れにせよ、韓国、日本、アメリカなどの国々はミサイル発射を指を加えて見る格好となり、この打ち上げ成功が、今後の北朝鮮の傍若無人を更に加速させる可能性を秘めている事は確かなようである。
 国連安保理は直ちに非難の意思表示を明確に打ち出しているが、各国の反応について北はそれすらもシナリオ通りの結果と受け止めており、北朝鮮への制裁圧力が高まったとしても、安保理そのものが弱体化している現状を見れば焼け石に水と言ったところだろう。
 まさにやりたい放題の北朝鮮に対し、打つ手なしが現状である。過去の例も見ても分かる通り、何ら怯む事なく次の一手を用意周到に準備している北にとっては、してやったりの大成功だったのかも知れない。
 但し、この北朝鮮の野望とも言える「核とミサイル」の融合は国力の乏しい現実の前にそう長くは続かないものとわたしは認識しているし、北朝鮮恐るるに足らずと言うのがわたしの率直な私見でもある。

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iPS細胞の陰と陽。 

iPS

 それは医学界のみならず、世界のあらゆるメディアが注目する画期的な出来事であった。ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の「山中伸弥」教授のニュースは地球上の全ての生物に対し「神の恩恵」とも言えるほどのインパクトを齎した。
 もちろん其処には山中教授とそのチームによる並々ならぬ努力と探究心があったからこそであるが、途方もなく長い医学の歴史に、月に残したあの足跡の様に今まさに輝かしい医療に於ける未来への扉を切り開き新しい一ページを刻み込んだのである。
 このようなニュースは、わたしの様に重い疾患を抱えて生きる者たちにとっては歓喜すべき事柄ではあるが、果たして自分がこの世に生きている間にiPS細胞の実用化の恩恵を授かる事が出来るかどうか疑問は尽きないものの、自分が後30年生きられると計算すれば、その可能性は充分にあるだろう。
 ほぼ半分壊れ掛けているこのポンコツ心臓であるが、よくぞ此処まで長らく耐え抜いてくれたと自分の心臓(病気)に敬意を表したいと思っているが、それが可能であるとするならば、薬に頼る生命から脱却したいと思っている。
 日本人の死因トップは言わずと知れた「癌」であるが、iPS細胞が齎す未知の可能性として、新薬の開発、治療方法も劇的な変革の時代を迎えつつあると思われる。
 然しながら、あらゆる世界には陰と陽が存在する訳で、つい先日、東京大学を懲戒解雇された「森口尚史」研究員のように、その人気に便乗するがの如く悪用する輩もおそらく出現する可能性は高い。
 万事が善意によって成されるのであれば良いが、「薬害エイズ」などのように、己の利潤のみを追求せんが為に、数多くの一般人が犠牲となってしまう「禁断の果実」とも捉える事が出来る。
 人間は欲を捨てて生きる事は出来ないが、その「欲望」をコントロールする理性を兼ね備えているからこそ人間らしい生き方が出来ているのである。
 欲に溺れた者たちの醜態をこれまで幾度となくわたしたちは見て来たが、自分の中の「陰と陽」を理解してさえいれば大きく道を踏み外す事などないだろう。

テーマ: 医療ニュース

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シリアに散った日本人の命。 

ジャーナリスト

 日本がメダリストたちの凱旋パレードに熱狂している頃、遥か彼方、最果ての地シリアで一人の女性が命を絶った。
 美人女性ジャーナリストの山本美香さんである。内戦が続くシリア北部アレッポで取材活動中に銃撃戦に巻き込まれ、ほぼ即死状態だったと言う。
 一人の日本人が亡くなったところで、熱狂する50万人が集まった銀座パレードの大歓声で、彼女の悲鳴は掻き消され、誰一人その地に視線を向ける事はない。
 くどい様だが、オリンピックが「平和の祭典」ならば、シリアの内戦を食い止めてみろと言いたい。スポーツに酔いしれるだけがオリンピックの役目なのか?そのメダルは平和のシンボルだろう。
 オリンピック開催中にも、シリアでは多くの子どもや女性たちが戦争に巻き込まれ犠牲になっている。戦場ジャーナリストや戦場カメラマンたちは、命を賭けて世界中の紛争地帯に足を踏み入れ、戦争の悲惨さや愚かさをわたしたちに伝える「平和のメッセンジャー」でもあるのだ。
 シリアでは既に27人ものジャーナリストが命を落としており、山本さんが銃撃戦に巻き込まれた当時の様子を、パートナーであり事実上の夫でもある佐藤和孝氏は、その状況を沈痛な面持ちで静かに語っていた。
 政府軍、反政府勢力、そしてイスラム過激派が活動する現地では3方面から攻撃を受ける可能性が非常に高い。
 銃撃事件発生時は、政府軍の戦闘機が上空を飛び交い空爆の真っ最中だったとも言う。シリア政府が自国の住民を無差別に攻撃すると言う、テロと何ら変わらない想像を遥かに超える権力と言う暴力がシリアでは日々平然と行われているのだ。
 異常なまでの執念で反政府勢力を弾圧する国家、それがわたしたちと同じ人間なのである。山本美香さんは幼い頃に新聞記者であった父親の背中を見て育って来た事から、報道の道へと自分の人生を賭けたのであろう。
 平和に対する情熱を人一倍持ち、紛争を通して平和の尊さを世界中に発信し続けた彼女の願いは届いているのだろうか。
 報道の自由を擁護する民間団体の「国境なき記者団」は今回の山本さんの死に伴い、ジャーナリストを攻撃しないよう訴えてはいるものの、争いの当事者たちには自分たち以外は全て敵なのである。
 個人の立場でボランティア活動に勤しんで来た「高遠菜穂子」さんを思い出してしまったが、皆さんの記憶からはすっかり消えている事だろう。
 イラクで過激派の人質に合い、からくも無事に解放されたものの、そのイラクに再び戻りたいと発言したため、世論や当時総理大臣であった小泉純一郎氏からも批判を浴びた。
 彼女はその後、PTSDに悩まされ続け眠れない日々を送っているという。わたしと同じ文芸社から「愛してるって、どう言うの? ―生きる意味を探す旅の途中で―」が出版されいるので、興味のある方は読んでみるとよい。
 それにしても日本人の「平和ボケ」も此処まで来たかとつくづく思う。銀座のパレードには50万人もの人々が集まるのに、原発再稼働反対デモにはせいぜい10万人。
 国の将来を左右する最も重要と思われる課題に対して、国民自身がこの程度の関心しか示さないのであれば、敗戦のどん底から不屈の精神で立ち上がった国民の意志は、きっと何処かに置き忘れてしまったのではないだろうか。

テーマ: 海外ニュース

ジャンル: ニュース

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タダでも乗らないオスプレイ。 

オスプレイ

 脱・原発デモと同じように、このオスプレイ搬入についても岩国市の住民団体等が大規模な反対集会を開いたが、住民の声はヘリの騒音に掻き消されるが如くに届きはしなかった。
 米海兵隊の垂直離着陸輸送機『MV22オスプレイ』は老朽化した現在の輸送機である『CH46』の代替機と言われているが、過去に幾度となく深刻な墜落事故などを起こし、欠陥品として国内外から批判や疑問視する声が高まっている。
 民間から起用され注目を集めた『森本敏防衛相』であるが、軍事のエキスパートが存在しない日本の現状を打破する為に、国の安全保障が専門である森本氏の手腕に期待する野田総理の大英断だったかどうかは未知数である。
 このオスプレイについては、彼が民間人であった時期にその危険性を最も強く訴えていた筈である。然しながら、国の防衛を担う立場となると、民間人だった時の鋭い洞察力と指摘は影を潜め、言いたい事の半分も話せなくなるという永田町の論理に取り込まれてしまい、身動きが出来ない状態。
 おそらく最も危機感を抱いているのは森本氏自身ではないだろうか。然し国の方針と日米安保という過去の亡霊によって金縛りに合い、米国の言いなりという現状に沈黙を貫き、教条的に為らざるを得ないのである。
 このヘリコプターとも飛行機ともどちらににも属さない様な飛行物体は、実に中途半端な輸送機であり、設計の段階で大きなミスを犯していると思われる。
 設計者はおそらくヘリと飛行機の優れた部分を合体して造ったつもりだろうが、『二頭追うものは一頭も得ず』と言われるように、欲をかき過ぎると悲惨な結果が待ち受けているのである。
 危険極まりないこのオスプレイが世界で最も危険な基地『普天間』に配備されると言うのだから、呆れ果ててしまうが、事故が起こってからでは遅い。
 原発事故で散々な目に遭っていながら、いまだに確実な安全性を手探りで模索している段階で、これを受け入れてしまうと言うのは実に不快極まりない。
 殆ど一年を通して沖縄のみならず、本土の70%以上の上空に150mというおよそ考えも付かないような低空飛行訓練を行うのである。
 国土の狭い日本はアメリカと違い、島国特有の風土と気象条件があり山間部を飛ぶと言えども、何が起こるか分からない不測の事態を想定しているのだろうか。
 代替機を造るのであれば、世界に誇る日本の優れた技術を駆使して製造した方がよっぽど高性能のヘリコプターが造れる筈である。
 日米両政府はオスプレイの事故調査でその安全性を確認後に試験飛行を実施。10月初旬から普天間飛行場を拠点とし本格運用に踏み切る模様だ。
 日本は駐留アメリカ軍の維持費を大部分負担しており、アメリカにはかなりの資金援助をしている。その返礼が日本国民を危険に晒すと言う事であるならば、日米安保は既に頓挫していると言ってもよいだろう。
 例え無料で乗せてあげると言われても、わたしなら即座に断るが皆さんはどうだろう?それでもタダなら一度は乗ってみたいと思うのだろうか…。

テーマ: 社会ニュース

ジャンル: ニュース

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いじめは犯罪である。 

アンケート

 事の重大さに漸く気付いたか、或いは世論の反応に促されたかは知らないが、滋賀県警による強制捜査のメスが自殺した少年の通っていた中学と教育委員会に入った。
 これまで少年の親が再三に渡り警察に被害届けを提出していたにも関わらず受理されることもなく、警察の対応は冷たく門前払いの繰り返しだった。
 警察の職務は一般市民の安全や命を守る事であるが、その一般市民には当然ながら子どもも含まれる。仮に親が地元の政治家や警察官だったとしたら、真っ先に学校、教育委員会、警察は真相究明に向けて動き出しただろう。
 何処にでもいるありふれた一市民は上記のような特別な存在ではなく、その他大勢の類いとして差別化されるのである。
 この世の中が如何に不公平に満ち溢れているか、このいじめ問題が歴然と物語っているだろう。教育の現場に警察の捜査が及ぶのは過去に例がなく前代未聞のことではあるが、この異例とも呼べる捜査はある意味に於いて『いじめは犯罪』である事を実証しているものとも受け取れる。
 13歳の少年がマンションから飛び降り自殺をしたのは昨年の10月、学校側は10月と11月に渡り全校生徒を対象にしたアンケートを実施したが、その内容について全面公開に至らずアンケートの一部分しか公表していなかった。
 2回目のアンケートに至っては、そのアンケートそのものが隠蔽されており、教育委員会の事無かれ主義と隠蔽体質が根深い事を浮き彫りにした結果となり、世論から批判の声が殺到し、マスコミもこの問題を大きく取り上げ、9カ月も経ってから漸くわたしたちの元にも届くに至った。
 男子生徒がクラスメートから殴られたり、ズボンをずらされるなどの暴行を受けていた事実はアンケート結果によって判明した事ではあるが、2度目のアンケート結果では『自殺の練習と称して首を絞められた』、『葬式ごっこ』などの重大ないじめの回答があったにも関わらず、市教委はそれを『見落としていた』などとうそぶく始末。
 子どもたちの事より自分たちの立場を優先し、責任を取ろうとしない未熟な大人たちを見ていると、怒りを通り越して吐き気さえ催してしまうのである。
 少年をいじめた生徒はもちろん悪いが、それ以上に性質が悪いのはいじめを見て見ぬ振りをする傍観者たちである。その意味から言えば生徒も大人たちも同罪ではないだろうか。
 自殺した少年に『告白』する勇気があったなら、死なずに済んだかも知れないと思うと無念でならないのである。
 然しながら、中学生ともなれば思春期の入り口であり、多感な年頃でもある。最も信頼出来る親にさえ話せないのは親に心配を掛けたくないと言う優しさでもあるが、命を絶つ事によってしか解決の糸口を見出せなかったのであれば、それは余りにも悲し過ぎる事ではないだろうか。
 わたし自身も小中校時代、辛いいじめに苦しんでいた時期があったが、わたしはそのいじめから逃げる事なく敢然と立ち向かい、いじめ地獄から脱却した経験がある。
 昭和30~40年代の頃は、クラスに必ずいじめを止めに入る子どもが存在していた。忘れもしない、その子は『中村正子』と言うクラスメートだった。いじめグループ数人に取り囲まれ、わたしは彼らに突き飛ばされ、足を踏まれるなどしていた。
 その場にやって来た彼女は「あんたたち、そんな事して何が面白いの、止めなさいよ」と教室中に響き渡るほどの大声でいじめグループを一喝した。
 その言葉にしらけてしまったのか、いじめっ子たちはわたしから離れ散り散りになった。教師による暴力が日常茶飯事で許されている時代でもあったが、そこには生徒と教師による信頼関係の証もあったし、生徒から見れば教師は絶対的存在でもあったが、いじめについては教師の力を借りて解決する事は一度もなかった。
 わたしもこの自殺した少年のようにズボンを脱がされた事がある。昼休み、いじめっ子の一人から声を掛けられた。
 「神戸君、ちょっと見せたい物があるから体育館の裏に来なよ」そう言って彼はわたしを無理矢理連れて行った。
 そこにはいつものいじめっ子たちが数人待っており、数人でわたしを体育館の壁に押し付け、手足が動けないようにきつく締め付けて来た。
 そしていじめっ子のボスがわたしの半ズボンに手を掛けると、一気に足の先まで摺り下げたのである。わたしは涙を堪え、声も出さず眼を閉じ必死でその屈辱に耐えていた。
 いじめっ子数人が口を揃えて「くっせぇー、きったねぇー」と連呼…。そしてそのパンツさえもずらしたのである。
 下着を買って貰えないほどわたしの家は貧しかったので、一枚のパンツを裏返しにしたりして何日も履き続けていたのである。
 当時、いじめに会う対象の子どもは現代とは違い、明らかに見た目などの差別化があった。毎日同じ服を着、風呂にもまともに入っていなかったからわたしの身体から異臭がしていたのは事実であった。
 隣の席の女子生徒がいきなり先の尖った赤鉛筆でわたしの手を思い切り刺して来たり、フォークダンスでは手を繋いでくれなかったり、床屋に行く金がなく髪を伸ばし放題にしていれば、「女だ、女だ」と男子生徒から罵声を浴びるなど言葉のいじめも多かった。
 いじめについて、わたしは父に一度も相談した事はなかったが、ある日、顔に青あざを作って家に帰ると、それに気付いた父が「喧嘩でもしたのか?」と訊いて来た。
 「うん…」「勝ったのか?」「負けた…」いじめによる痣ではなく喧嘩によるものだと嘘を付いた。「喧嘩は先手必勝だぞ」「やられる前にやっちまえ」次の日、わたしは父の言葉を実行したのである。
 複数を相手にすれば敵わないのは分かっていたので、いじめっ子たちを一人ずつ呼び出した。最も効果的だったのは生徒全員が揃っている教室でいじめっ子の一人を床に叩きつけた事である。
 それ以来彼らはわたしに対しいじめをぴたりと止めた。わたし以外にいじめられている者がいれば、そこへ割って入りいじめを止めさせた。
 この逸話は小学校4,5年だった頃の思い出であるが、中学に入り心臓病の悪化により藤枝中学から天竜養護学校に転校してからもやはりいじめはあった。
 病気の子どもたちが大勢親元を離れ集団生活を送るという特別な環境下の中にあっても、そこには上下関係が発生するのである。
 中学1年の時だった。同じ12病棟で同部屋だったわたしより一つ年下の小学6年生だった彼は、身体がわたしより数段大きく力も強かった。
 ある日、わたしと彼と二人きりになった部屋で、彼はわたしをベッドに突き倒し上から圧し掛かって来たのである。
 力の強い彼に圧倒されわたしは身動き一つ出来ずにいた。彼は言った。「俺の子分になれ…」年上のわたしが年下のこいつの子分になどなりたくもなかった。力に負けたわたしは小さく頷くしかなかったが、このまま引き下がる訳にはどうしても行かなかった。
 子どもたちが一堂に集まる場所は食事時間、病棟の大部屋にある大食堂である。夕食の時だった。わたしは意を決して少年の座っている席に歩いて行き、「人の事をなめるんじゃねぇぞ…」と言うなり彼の頭に張り手を一発見舞ってやった。
 賑やかだった食堂が一瞬静まり返り、多くの子どもたちの視線がわたしと彼の元に注がれた。彼は何も言わず黙っていたが、その顔に驚嘆の表情がありありと浮かんでいた。そして彼は素直な小学6年生に戻ったのである。
 わたしは暴力という手段によっていじめを克服したが、痛い目に会わなければ分からない人間が多すぎる。暴力を肯定する気持ちは爪の垢ほど持ち合わせていないが、それは時と場合による。
 学校や大人が子どもを守れないのであれば、子どもはどうすればよいのだ…。全国のいじめられっ子たちよ、今こそ勇気を奮い起し立ち上がるのだ。
 自分の身は自分で守れ、行政はいじめ問題に対しあれこれ対策を立ててはいるが、一向に減らないのが現状である。
 何の罪もない子どもたちが、これ以上無責任な大人たちの犠牲になってはならない。学校はいじめ問題を必須科目として授業の中に取り入れ一週間に一度でよいから、教師も交えて徹底的に論議する必要があるだろう。

テーマ: いじめ

ジャンル: 学校・教育

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シンシンのすくすく子育て日記。 

パンダ

 上野が活気付いている。2011年2月、中国からレンタルされた2頭のジャイアント・パンダ『リーリー』と『シンシン』の間に待望の赤ちゃんが誕生したからである。
 東京スカイツリーの人気に押され、客足が遠のいていた上野動物園であるが、この赤ちゃんパンダの誕生で、テレビでは速報テロップが流れ、街には号外が踊った。
 待ち焦がれていた瞬間だっただけに、パンダファンのみならず、動物園関係者やそうでない人たちも一様に笑顔を浮かべた。
 ところがその一方では、パンダに全く関心を示さない石原都知事が、皮肉をたっぷり込めた毒舌を早速つぶやいた。
 「2年経ったら返さなくちゃいけない…」「センセンとカクカクと名付けたらいい…」尖閣諸島を巡る中国との問題をこの赤ちゃんパンダ誕生に被せる発言。
 石原さんらしいコメントと言えばそれまでだが、実はこの方パンダの隠れファンだと言う事を皆さんはご存知だろうか?
 パンダの話をする時、彼の眼は活き活きと輝きその表情に浮かんだ重畳たる笑みをわたしは見逃さない。石原さんはかなりの照れ屋であり、そしてまた天の邪鬼でもある。
 人が右と言っても彼は左を貫き通す、頑固一徹なところがあるから都知事が務まっている部分もあるが、彼も人の子で可愛いものは可愛いのであり、それを素直に認めないだけの事。
 パンダが中国の外交に使われる事に対し今更とやかく言う積もりもないが、パンダ外交そのものが千年の歴史によって培われて来たことは事実であり、パンダが中国の国宝であるという背景を見れば頷ける内容ではある。
 然しながら、希少動物を政治の道具にする中国のあからさまなやり方に、違和感を覚えるのはわたしだけではないだろう。
 パンダ自身の事だけを考えれば、生まれた土地で暮らす事が一番望ましいとおそらく誰もがそう思っているに違いない。
 ただ、絶滅危惧種であるジャイアント・パンダは約1000頭しかおらず、厳しい自然環境の中で彼らを絶滅させない為には人間の手で保護する必要があるのも事実であるが、パンダも含め全ての動物たちは、人間の行うビジネスの道具として扱われ、それによってわたしたちは恩恵を授かっている事を忘れてはならないだろう。
 可愛いだけでは子どもは育たない、子育ての難しさと大切さを動物の子育てを通して学ぶ事が出来る、それが動物園の良さでもある。
 赤ちゃんがオスだと言う事も判明したが、最新情報によれば母親の胸元から落ちてしまい、現在は保育器の中にいるようだ。今はとにかくこの小さな命が無事にすくすく育ってくれる事を願うばかりである。
 命の大切さを全く理解していない大津市の教育委員会には怒り心頭であるが、このいじめによる自殺の件はまたいずれ日を追って追求してみたいと思っている。

テーマ: 動物・植物 - 生き物のニュース

ジャンル: ニュース

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