ビーチサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が 迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

君のいた夏。

夏

手すりをよじ登ると
君の痕跡があった
空を掴むために
ここを登ったの?
そうじゃないよね
君は
生まれ変わりたかった
ただそれだけのこと
夏は
もう終わったけれど
君のいた夏は
永遠に
終わらない


※病気を苦に自ら命を絶ってしまった友人に捧げた鎮魂歌。

初掲載:2012年9月29日 午前0時32分17秒。


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Legend of The Moon(伝説の月)。

月食

 宇宙の存在が現在ほど明らかにされていなかった遥か昔、古代人の眼に月はどのように映っていただろうか。月に纏わる話しは世界各地に散らばっており、そこの住人によって語り継がれている月の姿は様々だ。
 日本では「かぐや姫」の伝説が最も有名であり、そしてまた「うさぎの餅つき」はインドが発祥地となっている。古代から人類と密接な関係にある月、子どもが産まれる確立が最も高いのが満月の時であり、潮の満ち引きも月の引力によって引き起こされる自然現象である。
 どれほど文明や科学が進んでも、人は月の持つ神秘に魅せられ、果てしなき浪漫と情景を月に求めるものである。
  10月8日夕暮れ過ぎ、夜の帳が下り始めた頃に3年ぶりの皆既月食が始まった。東京は生憎の薄曇りであったが、日本全国でその姿を確認。月が地球の本影(太陽の光を完全に遮る領域)に入り、オレンジや赤の色合いに月が染まる様子を約1時間に亘って観測。
  この皆既月食に纏わる伝説も世界の神話の中に散りばめられており、北欧では太陽と月が2頭の狼に追い回され、「月が狼に飲み込まれた」と捉えられている。 そしてまたインド神話によると、ヒンドゥー教の神・ビシュヌの怒りを買い、首だけにされた4本腕の魔族「ラーフ」が、月を飲み込んでしまう等、「悪が月を飲み込む」と言った説が多く見受けられる。
 いかにも古代人らしい、日蝕や今回の月蝕にしても不吉な予兆として捉えられていたようだが、その人類の叡智を超えた宇宙神秘の前にあっては、まさに「神と悪魔」を象徴していると言ってよいのではないだろうか。
 運よく、この神と悪魔が織り成す天体ドラマを見たという方がおられたなら、ぜひご一報頂ければと思います。


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御嶽山に黙祷。

御嶽山

 バラバラと激しい音を立てて無数の噴石が情け容赦なく降り注ぐ。極限状態に追い込まれたその中を逃げ惑う多くの登山者たち。山頂付近の山小屋に避難し身を寄せ合って噴火が収まるのをじっと待つも、立ち込める灰色の噴煙で辺は暗闇に包まれ視界は殆ど遮られた。火山灰噴石の雨は止むことを知らず激しさを増して降り続ける…。
 携帯を取り出し家族や友人にメールを送る人々…。「お母さん、ごめんね」それは死を覚悟した最後の言葉だったのかも知れない。余りにも衝撃的な映像の連続に私は言葉を失ってしまった。
 戦後最悪の火山災害を齎した御嶽山噴火から一週間が経過した。火口からは今もなお白い噴煙が立ち上り、噴火が収まる気配は見受けられない。今回の噴火による犠牲者は現時点で51人となり、23年前に発生した雲仙普賢岳の大火砕流で犠牲となった43名を大きく上回る結果となった。
 御嶽山に入山した行方不明者が現在も十数人存在する可能性が高く、県警や自衛隊による懸命の捜索活動が続けられているものの、雨などの天候不順により中止するなど捜索は難航を余儀なくされている。
 美しい紅葉を見せる御嶽山が一瞬にしてその姿を変貌させ、登山者を恐怖の坩堝へと巻き込んで行く。澄み渡る碧天の空が突如として濛々と黒い噴煙で覆い尽くされる。吹き出した噴煙は上空8千mまで達したと言われる。
 噴火から一夜明けた御嶽山の容貌は一変し辺り一面、灰色の火山灰に覆われそこに降った噴石の跡が噴火の激しさを物語っていた。まるでそれは月面のクレーターを想起させ、活火山の持つ破壊力と大自然の猛威をまざまざと私たちに見せ付けた。
 火山の研究者や専門家たちは口を揃えて「噴火の予知は極めて困難」と言う。特に今回のような水蒸気爆発の場合は過去に殆ど前例がない為、マグマ噴火と比べても極めて難しいようだが、噴火の前兆が全く無かったと言う訳ではない。
 過去に水蒸気噴火を頻発している「草津白根山」の例を熟知し速やかに取り入れていれば、御嶽山の警戒レベルは2に引き上げられていたかも知れない。活火山を100以上も抱える日本はいわば火山大国でもある。気象庁・火山噴火予知連が無能と言われないよう、役に立つ研究に専心して頂きたい。
 活火山が与えてくれる自然の恩恵も大きいが、自然がひと度牙を剥けば今回のような大災害に繋がると言う事を忘れてしまわぬよう、謙虚な姿勢で自然と向き合う事が必要なのかも知れない。台風18号が過ぎ去れば、捜索が再開されるだろう。
 家族や友人たちの祈りを背中に感じながら、捜索隊の長い列が御嶽山の山頂を目指して歩を進める姿が眼に浮かぶ。降り積もった火山灰と、そして火山性の有毒ガスが隊員たちを待ち構えている。今はただ一刻も早く行方不明者が見つかり、家族の元へ帰る事を祈るばかりである。
 今回の噴火で犠牲となった多くの方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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プロフィール

俊樹

Author:俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開800篇を超える作品が出来上がっている。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作を現在執筆中。
父をモデルとした小説「網走番外地」執筆開始。
東京都在住。
血液型O型/星座/山羊座
七草粥の日に産まれる。
2013年より大衆文藝雑誌ムジカにて創作活動中。
詩集・天国の地図 電子書籍化 
ダウンロード販売中!

ムジカ04号絶賛発売中!
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