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漆黒の闇に浮かぶ狂気。 

やまゆり

 7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設『津久井やまゆり園』で起きた障害者殺傷事件は海外メディアもトップニュースで報道するなど、この殺人事件に対する関心の高さを伺わせているが、世界で最も安全な国と言われる犯罪率の比較的低い日本で、一人の男の手によって19人の命が奪われ26人が重軽傷を負うなど、戦後最悪の大量殺人事件が起きた事による驚きと戸惑いの声が届いている。
 銃社会の米国では、銃乱射による殺人事件が多発しているが、規制の厳しい日本でテロとも思えるような大量殺人は過去に例がなく、地下鉄サリン事件や秋葉原無差別殺傷事件などと比較しても海外では『極めて稀』な殺傷事件として伝えられている。
 事件の全容が徐々に明るみに出るにつれて、逮捕された植松容疑者の特異的な異常行動とその性質が浮き彫りになって来ている。
 場当たり的な通り魔事件とは大きく異なり、警備の薄くなった深夜に5本の刃物を用意し、重度の知的障害者ばかりを狙い犯行に及ぶ辺りは、単なる衝動殺人ではない確立した計画性の下で行われた完全犯罪とも思える。
 将来ある若干26歳の青年が、なにゆえ狂気の沙汰に駆り立てられたのか、容疑者の心の闇に巣食っている悪魔の正体を解き明かさない限り、この事件が解決する事はないような気がしてならない。
 私は知的障害者ではないが、障害者手帳1級所持者である。中学の3年間は養護学校に在籍しており、卒業後は高校に進学せず清水市にあった障害者施設で就職支援訓練に一年半励んでいた。社会に出た時、履歴書に養護学校卒や訓練所に居た事は書けず、藤枝の高校を卒業と嘘を書いた。心臓が悪い事も隠し、就職に不利になる事は全て隠し通して来た。
 その背景にはキレイ事では済まされない差別偏見があったのも事実である。男性の場合より女性の立場はもっと酷であり、養護学校に在籍していた事が原因で結婚も出来ないといった信じ難い話しを幾つも聞いて来た。
 高校進学の時、筆記テストは合格でも面接で落とされるなど、希望の高校に進学出来なかった例も少なくない。いずれも病気に対する偏見差別が原因である。法律が整い障害者の立場も以前と比べれば随分と環境も良くなったと思うが、いじめと同様に差別は決して無くなる事はない。
 然しその差別に屈する事なく全ての障害者よ、勇気を奮い立たせて前を向け。弱者の立場に甘んじてはいけない。チャレンジ精神を忘れないで欲しい。
 最後に、この事件で尊い命を奪われた19人の方々に心よりお悔やみとご冥福をお祈り申し上げます。

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父の日は似顔絵とともに。 

似顔絵

 6月19日、心不全の兆候で四苦八苦している時だった。通販で買い物した覚えもないのに宅配便が届いた。送り主を見ると静岡いる息子の勇樹からであった。この時季に何だろうと思い開けてみると、木の枠に収まった似顔絵らしきものが。「ああ、そうか!今日は父の日だったのか」。
 そこで初めて19日が父の日である事に気付いた訳である。似顔絵以外に静岡音楽館Aoiで開催された『オペレッタ・赤ずきんちゃん』のステージが収録されたDVD、そして銘茶・竹茗堂の煎茶。日本茶の好きな私にとって、故郷の香りと味が詰まったお茶を頂ける事は嬉しい限りであった。
 さて、この似顔絵が私に似ているかどうかは別として、おそらく彼自身が小学校低学年の自分に立ち返り、小学生に成りきって一生懸命に描いたものと思われる。その様子はこの絵の筆跡に十分表現されており、似顔絵を通して父に対する感謝の気持ちが優しくそして力強く伝わって来る。
 私は息子が2歳になったばかりの頃、静岡を離れ東京方面に向かった。その為、私と息子との間には20年以上の空白がある。実際に息子が父親の似顔絵を描く機会が過去にあったかどうか定かではないが、本来であれば幼い時期に本当の父親の顔を描きたかっただろう事は、この似顔絵を見てもヒシヒシとその切ない想いが伝わって来るのである。
 似顔絵に関して言えば私にも淡い過去の想い出が一つだけある。父親の似顔絵を描いた記憶はないのだが、顔も知らず後ろ姿だけが影の様に焼き付いた母の顔を描いた想い出…。小学2年の時、図画の授業だった。「さぁ、皆さん今日はお母さんの顔を描いてみましょうね」。担任は母の実家の隣に住んでいた飯塚先生。
 クレヨン画用紙が机の上に並び、44名の子どもたちが担任の合図で一斉にクレヨンを握りしめ、思い思いの母親像を真っ更な画用紙に描き始めた。そんな中、一人の少年だけが宙を見詰めたまま握った黒いクレヨンはぴくりとも動かない。
 その少年の姿を見て悟った担任が近づいて行く。そして声を掛けようとした時だった。突然、画用紙に向かって右手を動かし始めた少年。それはオモチャ箱をひっくり返した中から自分のお気に入りを見つけた時のような喜びに充ちていた。
 然し、母親の顔を知らない少年が描いた画用紙の中の母親は赤の他人で、近所のおばさんの顔を思い出して描いたのである。知らないのであれば描かなければ良いのではと思うが、その時の少年は『何か描かなければ怒られる』と思ったようだ。そのおばさんの似顔絵は、今でもくっきりと鮮やかに私の心の中でにっこり微笑んでいる。

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星になった恋(七夕に寄せて)。 

星の恋


満天夜空を見上げれば
いつでも貴方が見える
365日
貴方とともに作った思い出
今は となって
輝いている
空から わたしが
見えますか
短冊に 願いを書いても
貴方は もう戻らない
二人の思い出だけ 抱きしめて
わたしは
貴方の分まで生きています


※3日遅れの七夕ですが、皆さんはどんな願い事をしましたか?私はやっぱり「丈夫な心臓になりたい」ですかね^^;

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