拓郎

 古い写真を整理していたら、火事で焼けてしまったと思われていた懐かしい写真が見つかった。1973年の夏、おそらく7、8月頃のものだろう。
 壁に貼ってある写真を見れば吉田拓郎だと、わたしと同年代の人は直ぐ気付くはずである。吉田拓郎に付いては過去にも話をした事があるが、デビュー前は新宿の飲み屋で用心棒のアルバイトをしていた。
 そんな暴れ者の拓郎も今は肺がんに罹り、闘病生活を続けながらもコンサート活動を続けている。わたしは8歳でビートルズに出会い大きな影響を受け、それから洋楽ばかりを聴くようになったが、しかし吉田拓郎との出会いがわたしにギターを与えてくれたのである。NHKのラジオで『若いこだま』と言う音楽番組があり、真空管で出来た中古のラジオから『今日までそして明日から』が流れてきた。
 ビートルズの『ツイストアンドシャウト』を聴いて以来の衝撃だった。
 世の中にこんな歌があったのか…。ギターとハーモニカだけで延々と、それはこれまで全く聴いた事のない未知の世界で、新鮮なメッセージソングだった。
 この曲は素九鬼子原作の小説『旅の重さ』を映画化した作品の中で主題歌にもなっており、主演の高橋洋子が実にフレッシュだったし、秋吉久美子も出演していた。
 ちょうど時代はフォークブームということもあり、レコード店に毎日のように通い始めた。アルバム『元気です』を買い、散々聴きこんだ。当時歌謡界にはアイドルと呼ばれる人気女性歌手が登場し始めていた。
 天地真理、山口百恵、桜田淳子、アグネスチャン、森昌子、南沙織、浅田美代子、麻丘めぐみなど。この部屋の隣には麻丘めぐみのポスターが貼ってある。歌謡曲など興味はなかったのだが、麻丘めぐみだけは違った。
 彼女のデビュー曲『芽生え』がとても気に入ってしまったのである。そして2枚目のシングル『悲しみよこんにちは』これも好きであったが、それ以上歌謡曲は購入しなかった。
 初めてのギターは安い1万2千円のモーリスギターを、静岡市では一番大きなレコード店の『すみや』で購入。安いとは言っても当時の給料は3,4万だったから大きな買い物だった。
 自分も拓郎や陽水のように、フォーク歌手になりたいと思っていた。仕事が終われば会社が用意してくれた共同アパートで練習に励んだものである。
 最初に覚えた曲は何だっただろ?思い出せないが『青春の歌』か『イメージの詩』辺りだろう。誰にでも訪れる青春だが、嬉しい思い出ばかりではなく、苦く切ない失恋や自分自身に行き詰まり、挫折感や疎外感を味わうことの方が多かった。
 孤独なんていうほど大それたものではなく、まだまだ未熟でほろ苦い涙の味だった。現代は死に急ぐ若者が多すぎる。
 自殺などいつでも出来る。青春を謳歌しているか疑問を問いただせ、汗を流して若さを表現しろ。今でしか出来ないことが山ほどあることに気付け、そして苦悶しつつ自分を磨くのだ。

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俊樹
Posted by俊樹

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2012/08/10 (Fri) 22:28 | EDIT | REPLY |   
昭和の幸ちゃん  

私も拓郎に憧れて モーリスギター18000円で買いました
今でもお店で弾いています
やっぱし 拓郎はいいですね・・・新しいCD【午後の天気】をずっと聴いている毎日です(^^)

2012/08/13 (Mon) 18:04 | EDIT | REPLY |   
俊樹  
昭和の幸ちゃん

午後の天気ってどんな感じですか?
わたしも聴いてみようかな。

> 私も拓郎に憧れて モーリスギター18000円で買いました
> 今でもお店で弾いています
> やっぱし 拓郎はいいですね・・・新しいCD【午後の天気】をずっと聴いている毎日です(^^)

2012/08/14 (Tue) 00:34 | EDIT | REPLY |   
たこぽん♪  
懐かしい…

拓郎さんの嬬恋Live(当時ラジオ放送)を
カセットテープに外部入力か何かで録音して
大切に聴いていた事を思い出しました。
そして高校時代はギター同好会に入り、フォークソングを楽しんでいました^m^

2012/08/16 (Thu) 21:28 | EDIT | REPLY |   
ブログU2  
ありがとう

 スクロールしていましたら、懐かしい歌手の名前がズラーと出ていましたので、同じ年代の方かなと思い、立ち止まりました。
 コメント、ありがとうございました。
ボクのページを見ていただいてのことですので、大体の人間像は想像していただくことはできましたか。
 ボクは、六面体の人間なのです。決して円でも、四角柱でもない。そして、多重人格です。
 若い頃から、創作にいそしんでいました。投稿とかが好きでした。
 だから、自分でブログを立ち上げてしまいました。きっかけは、「病気」なのですけどね。「病気」にならなかったら、今のブログは存在しません。

 息子は漫画家を目指していて、一度、新風社で自費出版しましたが、残念ながら倒産してしまいました。その後を、文芸社さんが継いでもらったような記憶がありますけど、本は売れていません。

 あなたも、様々な角度から創作されているようですね。頑張ってください。
 「うつ病」の人に、頑張れっていうのはタブー視されていますけど、そんなことはないと思っています。
 
 懐かしい面々の中で、浅丘めぐみさんは、ボクもレコード買ってあります。
 3人娘は、カセットテープに何曲か、フォークもわんさとエア・チェックし、レコードは下田逸郎さんとか、個性派好みでした。
 

2012/09/13 (Thu) 16:29 | EDIT | REPLY |   

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