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ビーチサイドの人魚姫

Tag藤枝 1/1

みかんの花(父と母に捧ぐ)。

みかんの花が咲いたよ蓮華寺山のふもとから頂上に向かって続くみかん畑の中を可愛いメジロが幾羽も飛び交ってもぎたてのみかんを口いっぱいに頬張りながらお姫平のてっぺんに立ち藤枝の町並みを見下ろしたっけねあなたの肩車で更に空が近くなり青い海のように輝く美しい空に吸い込まれて行くようだった風がザワザワとみかん畑を渡り一斉にみかんの白い花が宙に舞う舞い上がったその白い花々の中に紛れて僕もあの人のいる空に行きた...

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初めての旅は府中刑務所だった(再編集版)。

 私が初めて東京に行ったのは小学4年生の時だった。その頃はまだ新幹線も開通していなかったので伯父に連れられて東海道線の長い汽車の旅を経験した。行き先は東京の郊外にある府中刑務所。父が服役している場所であった。日時や曜日までは思い出せないが前日に藤枝を出発し、東京に着いてから地下鉄を幾つも乗り継いだ記憶がある。 こんな暗い所を電車が走っているなんてと驚いた。東京には三郎という祖父の兄弟が住んでいるら...

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後悔の涙(母を偲んで)。

母は安らぐ場所にたどり着いたのか苦しまずに逝ったのか痛みはなかったのか毒を飲む瞬間何を考えていたのか僕のことを想い出しただろうか母の通夜にも立ち会えず最後の母の顔も見届けず火葬にも出席出来なかった僕は幼すぎたのか母の死を知らされた時他人事と思えた僕の心は余りにも冷たかった今になって後悔の涙が僕の心を掻き乱すあなたに会いたかったどんな形でもよいから会いたかったこの僕を産んでくれたあなただもの※9月8...

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祭りで賑わう夜(詩集・天国の地図より)。

祭りで賑わう夜父は病床に寝たきりの身体を起こして息子の帰りを独り静かに待っていた外は祭りの熱気で溢れているのにか細くやせ衰えた肩や手が息子を呼んでいるのに今夜には帰り筈の息子は夜更けまで何処かで遊び惚けている祭りの太鼓も父の胸には悲しく響くだけ帰らぬ息子を想っているのか自分の憐れさを悲しんでいるのか隙間風が枕元を通り過ぎて祭りも終わりを告げるようだった※末期の肝硬変で余命いくばくもない父から呼出さ...

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