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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が 迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

青池の大蛇伝説と長楽寺(小説「届かなかった僕の歌」より抜粋)。

2014年06月26日
小説 10
青池

 今からおよそ850年ほど前の話しである。仁安(六条天皇の朝1165~)年間、旧西益津村(現在の藤枝市本町辺り)にある岡出山の麓に粉川長楽斎と言う郷士が住んでおり、弁天さまから天神さまにかけての地域を村の人々は長者屋敷と呼んでいた。
 長楽斎は、仏法に帰依して信仰が厚く困っている人には必ず手を差し伸べるほど心優しく憐れみ深かったため、村の人々は「仏心長楽」、「粉川長者」などと呼び敬っていた。
 長楽斎の妻は「秋野」と言い、伊勢の国神戸の住人神戸大蔵人某の娘で、婚礼の際には家来を三人連れて来て、以来藤枝に住まわせ、神戸(かんべ)と言う姓を名乗らせた。それがもととなり、藤枝の三神戸と言う家柄が出来た(私の実家がその内の一つ)。
 その後、夫婦の間に愛らしい女の子が産まれたので、長楽斎は「賀姫(いわひめ)」と名付け、大事に育てた。賀姫は成人するにつれて容姿も大変美しくなり、両親に仕えて孝心深かった。
 長楽斎は、岡出山の下に安置した薬師如来信仰しており、娘もまた父に劣らぬ信仰家で、毎日、朝早く起きては、お参りをしていた。
 ところで、長者屋敷の裏山の東、約2キロ程の所に「真薦(マコモ)池」(現在の青池)と呼ばれる周囲約4キロ程の大きな池があった。この池には昔から大蛇(水龍)が棲み付いており、この大蛇が美しい賀姫に一目惚れし、ある日、美しい小姓の姿に化け、毎朝同じ時刻にお参りして、とうとう賀姫を虜にして池の底深く連れ込んでしまった。
 それを知った夫婦は怒り悲しんだ末に、石を焼いて炎にし、鉄を溶かして湯にし池の中に投げ入れた。その結果、さすがの大蛇もたまらず死んでしまったと言う。
 夫婦は、賀姫の菩提を弔うために、領地を割いて寺を建て、「長楽寺」と名付けた。弁天さまは、その薬師如来の斜め隣になっているが、可哀想な最後を遂げた賀姫のために、その場所を選んで建てたのだそうである。
 現在では押し寄せる宅地化の波により青池も小さくなってしまったが、今もなお、滾滾と湧き出る水を湛えてつつ、ひっそりと散歩する人々に癒しと憩いの場を与えている。池のほとりには大蛇を祀ったとされる弁天堂があり、昭和40年代頃までは広がる水田の中に大蛇の跡の「蛇溝(じゃみじょ)」と呼ばれる水路や、溝が太くなった場所の「見返り淵」などが残っていた。


※私の藤枝の実家に伝わる物語の一つ。実家に不幸があると、三号瓶を持って青池の水を汲みに行き、仏前に供える仕来りがあるが、理由は分からない。神戸家の菩提寺である長楽寺には、粉川長楽斎婦人が使っていたと思われる髪飾が今も安置されている。

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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。NikonD700を使用。

コメント10件

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いそべえ

こんにちは
ご無沙汰です

ご心配頂きありがとうございました
私は元気なのですが、父が検査入院したり病院通いばかりで、母も疲れてしまったので、しばらくお店休んでおりました
で、お店休んでるのに、遊びの記事が続いても…
(一応いそべ食堂でブログ書いてるので)と思い書いてませんでした
父も足が弱ったので、リハビリ中です
足さえ元に戻れば、元気になると思います

下記事のお薬
父も俊樹さん位飲んでますよ(^^;;
病気と仲良く付き合っていくしかないですが、無理をせず、お散歩なぞして気分転換して下さいね
ではまた!

2014年06月26日 (木) 12:41

みゆきん

凄く神秘的な場所
青池って全国各地にあるよね
きっと、みんなそれぞれに伝説が残ってるかもしれない
けど殆どが悲しい伝説ですね。

2014年06月26日 (木) 13:29

由莉

神秘的で、悲しい伝説ですね。

青い池・・・青い色、それだけでも神秘的☆

苗字の神戸はそこから来ているのですね。
苗字を遡ると、由来がわかったりするかもですね。

2014年06月26日 (木) 17:09

ネリム

こんばんわ
青色は神秘的な色だなと思いました

2014年06月26日 (木) 22:04

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2014年06月27日 (金) 11:47

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2014年06月27日 (金) 15:57

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2014年06月28日 (土) 16:06

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2014年06月29日 (日) 15:56

Michiru

興味深いお話、ありがとうございます☆
南は沖縄から北は東北(多分北海道もアイヌの伝説あり)まで、池に住む蛇にまつわるお話は、あちらこちらに点在しているそうです。

よろしければ、こちらのブログをお暇なときにどうぞ。
http://www.hunterslog.net/dragonology/index.html

蛇と竜にまつわる民話が沢山あります…☆
お話にあった伝説は掲載されていませんが、静岡にも、他にも色々なお話があるようですよ。

2014年06月29日 (日) 20:02

マムチ

こんばんわ~♪

全国、いえ世界には色んな伝説がありますよね。
私の住んでいる下町にもいろいろありますよっ^^

最近は天候なども不安定で
体調も崩しやすいので、気を付けて下さいね!!

2014年06月29日 (日) 21:18