KING OF GOAL 栄冠はドイツの頭上に。
約一ヶ月間に渡り熱戦を繰り広げたサッカーワールドカップ2014、そのゴールの頂点に輝いたのはドイツだった。準決勝で地元のブラジルに7対1で大勝しその勢いのまま臨んだ決勝戦。堅牢な守りで定評のあるアルゼンチンは、攻守ともに安定した試合運びで決勝へと駒を進めて来た強豪。
両チームとも技術・総合力とも拮抗しているだけにどちらか先に1点を取った方が優勝に大きく前進するのは目に見えていた。ドイツは『クロース選手』を中心とした連携プレーでゴールを狙う。それに対しアルゼンチンも負けじとエース『メッシ選手』のドリブル突破などで攻め入った。
然し両チームとも得点には至らず、試合は延長戦へともつれ込んだ。そして迎えた延長後半8分、スタジアムが歓喜の声で大きく揺れた瞬間だった。左サイドを突破したドイツの『シュレール選手』が左足でクロス。すかさずこのボールを胸トラップした『ゲッツェ選手』そのまま素早くボレーシュート。ボールは吸い込まれるように白いゴールへ…。
この1点が決め手となりドイツは24年振り4回目のW杯制覇を果たした。今年で20回目を迎えたFIFAワールドカップ2014は、開催国ブラジルに32ヵ国の強豪が揃い、32日間に渡り激闘を繰り広げて来た。
優勝に最も近いブラジルは地の利を活かし順当に勝ち上がって来たが、そこに眼前と立ちはだかったのが南米勢の優勝を拒む欧州を代表する強豪のドイツであった。誰もが予想しなかったブラジルの大敗に、サッカーの持つ魔力を垣間見る思いがした。
今大会でアジア勢が尽く姿を消してしまったのは寂しい限りであり、世界の壁が余りにも高くそして厚いのを聴衆よりもプレーヤーたちが身を持って感じていた事だろう。日本代表は初戦のコートジボワールに逆転負けした事が後の試合にも尾を引いた形となり、実力の半分も出さないままブラジルに別れを告げた。
日本にとって多くの課題を残した大会であったが、日本の選手が他国の選手と比べて劣っている訳ではない。海外の一流チームで活躍する『海外組み』を中心にした万全のメンバーで臨んだ筈である。然し、個人のプレーがどれほど優秀であってもそれだけで優勝出来るものではない。
随分昔の話しであるがプロ野球の巨人が『9人全員4番打者』と言う時期があり、優勝は間違いないと思われていたものの、最下位を味わう結果となっている。野球やサッカーのように複数の選手で行われる試合は、チームプレイの優れた集団が何よりも勝っているのである。
『自分の持つ技術力・才能は他者の為にある…。』私がスポーツを通じて学んだこの言葉で今日の記事を締めくくりたいと思う。
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