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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が 迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

満天の夜を抱いて一羽のフクロウが啼く。

2015年04月15日
エッセイ 25
フクロウ

 それは私が小学校低学年の頃だった。実家の庭に樹齢400年をゆうに越す巨木があった。庭は広く様々な種類の草木が生い茂り、夏ともなればまるで何処かの山奥にでもいるような感覚を味わう事が出来た。
 多種多様な生き物が棲息し、昆虫採集や野鳥観察などは自分の家で遊びながら体験出来たが、一度だけとても怖い思いをした事があった。
 旧家なのでトイレは別棟になっており、屋敷から10mほど離れた所にあった。夜中にトイレに行きたくなり、障子戸を開けると外は満天の夜。無数の星が光輝き、空は生命で溢れ返っていた。そしてその中心に満月。月の光を浴びて浮かび上がる樹木たち。
 その満月を突き刺すように聳え立つ巨木。そしてその直ぐ横にトイレがあった。その巨木には昔から主が棲んでいた。一羽のフクロウである。姿を見た事はないが樹木のかなり高い辺りで「ホーホー」と啼くのである。幼かった私はその声に怯え、ついにトイレまで行く事が出来ず朝まで我慢するしかなかった。その巨木は近所の人たちから「が落ちると危ない」と苦情が寄せられ、切り刻まれてその一生を終えてしまった。それ以来あのフクロウの啼く夜は来なかった。
 自分の棲家を奪われてしまったあのフクロウは何処へ行っただろう…。怖い夜から脱する事は出来たけれど、大切な友達を無くしてしまったような物足りなさを抱いていたのは確かであった。

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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。NikonD700を使用。

コメント25件

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小判鮫のコバンちゃん

なんか、切ないですね。

2015年04月15日 (水) 00:07

みゆきん

子供の頃って何でも怖いものね
大丈夫、フクロウは他に棲家を変えて子孫を残してますよ♪

2015年04月15日 (水) 15:58

koyuri

カブトムシを採っていた木が

道路拡張で切られてしまった事を思い出しました。

大きくなってたので、もう採取してませんでしたが、とても寂しい気持ちになりました。

2015年04月15日 (水) 23:26

鈴子

こんばんは。

俊チャンさん

お疲れさまです。
フクロウさん 何処かへ飛んで行ったんですね。
(*^^*)
子ども心に怖いけど寂しかったんですね。

ところで、フクロウを飼っている人、傷ついたフクロウを元気にして自然に返そうと動物園へ まず連れて行った人の話を聞きました。フクロウは交通事故に遭いました。あるトラックのドライバーが助けました。フクロウは 人懐こくて、運転手と ともに旅をすることになりました。トラックの中に冷蔵庫を用意し、餌を与えながら、それはそれは穏やかな性格のフクロウで、彼に懐きました。ある日、彼は このままではいけないと思い、自然に返す前に動物園に連れて行ってお願いをしました。動物園では普通は引き受けないのですが、真剣な彼の気持ちを汲んで、飼うことにしました。翌日からフクロウは動物園では餌を一口も食べずに どんどん痩せていきました。毎夜 毎夜、悲しい泣き声で、鳴くそうです。動物園は このままではフクロウは死んでしまうと、トラックの彼に、引き取ってくれないかと話を持ちかけました。彼が動物園に迎えに来た日には、フクロウは彼に擦りよって頬ずりをしたそうです。その後、彼はフクロウと共にトラックのドライバーとして働いています。フクロウは毎日、幸せに暮らしました。

余談な話をすいません。フクロウって 大人しいみたいですね。因みにペットショップでは、30万〜100万、それ以上するらしいです。


2015年04月16日 (木) 02:04

ネリム

おはようございます
フクロウを直接見られるのは貴重な経験だと思います。
やむ得ない事情があったにしてもフクロウから住みかを奪ったのは気の毒です

2015年04月16日 (木) 08:25

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2015年04月16日 (木) 09:18

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2015年04月16日 (木) 10:24

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2015年04月16日 (木) 17:16

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2015年04月16日 (木) 18:50

orenge

戻らない森

読みながら昭和帝の愛された御所の森の事を思い出しました。
フクロウは昭和帝になるのでしょうか?
森にすむ生き物の為に自然の形で残しておくようにと言い残されて
崩御されました。

このフクロウがッ昭和帝に思えて仕方ありません。
木を伐ったのは美智子法皇。意趣返しでしょうか?
クレーバーではあるがワイズではない。。。

文章から外れたコメントで申し訳ありません。

2015年04月17日 (金) 00:14

KOROKO

はじめまして

「臨床心理士のうたたね日記」の管理人です。

ドメイン変更しました。
よかったら、ひき続き訪問してください。

2015年04月17日 (金) 11:07

sado jo

こんにちわ^^

果たして人間が、自然をいじくり回す才覚があるのかどうか疑問に思います。
その木は何百年も落雷が無かったのでそこにあるのですからね。
逆に木を切って作った造成地が、土石流に遭ったりするのもよくあります。

2015年04月17日 (金) 13:30

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2015年04月17日 (金) 14:05

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2015年04月18日 (土) 15:58

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2015年04月18日 (土) 18:27

野津征亨

こんばんは。

同じ猛禽類でも、鷹や鷲は格好よくて、フクロウは可愛いと感じてしまいます。
ですが闇夜に啼く声は、確かに恐ろしいかもしれません。
余談ながら、フクロウとミミズクの違いが未だによく判らないです(苦笑)

2015年04月18日 (土) 23:13

赤鈴(アカスズ)

お久しぶりです。

私も実は最近うつ病の症状が酷く、先々週ぐらいまで仕事の方も1ヶ月近く休ませていただいておりました。

自殺未遂的なことも2回ほどしてしまいましたが、どれも死ぬ勇気がなく、未遂に終わりました。実にカッコ悪いです。

今は薬を飲みながら、自主的に(うちの会社にはそういった制度がない為)リハビリ出勤を重ねつつ、少しずつ職場復帰している状態です。

症状としては少しずつ落ち着いてはきてますが、今だに油断できない状態が続いております。

2015年04月19日 (日) 14:58

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2015年04月19日 (日) 22:09

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2015年04月20日 (月) 14:53

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2015年04月21日 (火) 17:10

イヴまま

俊樹さんが生まれ育ったお庭といい
おおきなおおきな木といい
私の中でとなりのトトロのシーンが浮かびます。
ファンタジーな部分だけ想像すると
自然に囲まれた素敵な環境のように思いますが
暗闇を想像するとやはりとても怖いですね。
棲家を奪われてしまったふくろうさん
違う場所を見つけられていたらいいですね・・・

2015年04月22日 (水) 07:47

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2015年04月22日 (水) 16:56

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2015年04月28日 (火) 19:00

くわぁ

フクやフクや~
飛んで来い

毎日毎日
タニシを採って

お前に食わせて
大きくなった

屋根裏に棲むは
昭和の時の面白さ

フクやフクや~
ここに来い

口笛吹いたら
飛んで来い

時を超えて
飛んで来い


フクロウは時の神
この世を見据える守り神

人の過ち
見つめます

2015年05月03日 (日) 21:35

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2015年05月03日 (日) 21:50